宮古島が好きな人ならご存じだろうが、渡辺容疑者がぶっ倒れていた城辺地区というのは、美しい女性マムヤが身を投げたという伝説がのこる東平安名崎が有名で、そこまで行かずとも、周囲には断崖絶壁も多い。豊かな自然にもめぐまれているので、首吊りロープをかけるにはちょうどいい枝振りの木もそこらじゅうに生えている。つまり、2時間ドラマの犯人がラスト10分で向かうようなロケーションだったというわけだ。
しかし、渡辺容疑者はビビった。そんなの人間なのだから当たり前じゃないかと思うかもしれないが、問題はなぜそこでビビったのかという点だ。
ご存じのように、渡辺容疑者は閑静な住宅地に柵を立てて重機まで使って穴を掘るという、あまりに大胆不敵な犯行準備をしている。
さらに、福山雅治がくるパーティがある、なんてウソをついて自分自身で夫妻を誘っている。そんな派手におびきだせば、夫妻が知人に言うに決まっているので、当然足がつく。だから、警察は渡辺容疑者が否定をしても、早くから怪しいと思っていた。
しかも、死体遺棄現場に所有者のクルマをつかって夫妻を運ぶ。人を殺して埋めようという人間が、まさかNシステムの存在を知らないわけがない。
つまり、渡辺容疑者は「捕まえてください」と言わんばかりのヤケクソ的な手口をつかっているのだ。
これまでいろんな殺人犯を見てきたが、ここまでヤケになった場合はトイレの洗剤など飲まない。「覚悟」があるからだ。渡辺容疑者にはそれはない。というよりも、何か別のものにビビっているような気がしてならない。例えば、「共犯者」とか。
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