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» 2013年02月19日 08時00分 公開

青色申告と白色申告はどう違う? 個人事業主の確定申告について増税サバイブ術(3/5 ページ)

[Business Media 誠]

白色申告とは

 では、それぞれの申告の詳細を確認してみよう。最初は白色申告だが、白色申告のルールは平成26年から変更となる。まずは現状の白色申告のルールを確認してみよう。白色申告は特典がない代わりに記帳が楽なので、確定申告における事務作業が軽減できる。特に前々年、前年の所得が300万円以下であれば記帳の義務がない。

 所得とは「売り上げ−経費=所得」なので、例えば売り上げが1000万円でも仕入れや店舗経費などで700万円を支払っていれば所得は300万円となり記帳義務がないことになる。本来であれば、売り上げも経費も記録を残して集計しないと所得の算出ができないはずなので、「記帳しない→売り上げ・経費が把握できない→所得が300万円以下なのか不明」となるが、おそらく税務署からすると、「わずかしか稼いでいない→きっと納税額は少ない→ならばどんぶり勘定でいいです」といった感じだと思われる。

 筆者は最初から青色申告を選択したので、実際に白色申告をしたことはないが、聞いた話などから実際の作業を想像すると、電卓を片手に銀行の通帳を見て1年間の売り上げを集計(発生主義なので振り込み日ではなく売り上げを立てた日で集計)、経費は領収書や引き落としの明細を科目ごとにひたすら合計し年間の経費を集計しメモする。売り上げから経費を引くと所得の算出が完了。あとは基礎控除、社会保険料控除などの各種所得控除をサラリーマンと同様に所得から引き算して課税所得を算出、税率を掛けると所得税の納税額が決まる、といった感じだろうか。

 似たような規模で事業を数年持続すると経費は毎年大きな差がないことに気付く。そうなると売り上げだけ集計すれば、経費は毎年似たような金額をみなしで記載すれば領収書を集計することなく所得を算出、わずかな時間で確定申告の準備が完了する、といった展開が想像される。オススメしない方法だが、ここまで手抜きをすれば半日〜1日で作業は終わりそうだ(チョットうらやましい)。

 所得が300万円を超えると記帳と帳簿の保存が必要となる。記帳する内容は、売り上げや経費で、日々の合計金額をまとめて記載するなど、簡易な方法で記載してもよいことになっている。記帳方法も単式簿記による記帳が認められている。

 「単式簿記、複式簿記って聞いたことはあるけど何がどう違うの?」とサラリーマン時代の筆者は思った。独立直後、簿記の本を読んでみたものの、10ページほどで挫折。現在は独立して7年目となったが、青色申告ソフトに頼っているのでいまだに理解していない。一応、さわりの部分だけ説明する。

 経費として携帯電話料金を払ったとしよう。これを単式簿記で記帳すると

  • 2月20日 携帯電話料金 6000円

 となる。これを複式簿記で記帳すると

  • 2月20日 携帯電話料金 6000円 / 現金 6000円

 もし銀行引き落としであれば

  • 2月20日 携帯電話料金 6000円 / 普通預金 6000円

 となる。正しくは左側は「通信費 6000円」と記帳しなければいけないが、ここでは細かなところは無視する。単式簿記より複式簿記で記帳することで手元の現金が6000円減ったのか、預金が6000円減ったのかも分かり、よりお金の動きが正しく記録されることになる。反面事務作業は増えることになる。

 白色申告の記帳であれば単式簿記で十分だが、所得が300万円を超えると記帳義務が発生するので、そこそこの事務作業を行う必要がありそうだ。

 平成26年から白色申告のルールが大きく変更される。現在は所得300万円以下であれば記帳義務はないが、平成26年から所得300万円以下の人を含め全ての人が記帳と帳簿保存を行うことが必要となる。キッチリ経理をしていた人は問題ないと思うが、どんぶり勘定で手抜きをしていた人は2年後の今頃は大変なことになるだろう。

申告の手引にも平成26年から記帳義務が拡大されると書かれている

 今年独立を考えている人は白色申告を選択しても“手抜き”ができるのは1年だけということになる。従来は白色申告をしていた人が、記帳義務が発生するならこれを機に青色申告に切り替えて特典が得られるようにしたいと思ったら、その年の3月15日までに青色申告承認申請書に提出しない青色申告に変更することはできない。来年(平成26年)を待たず今年から青色申告に切り替えるなら期限はすぐ間近だ。

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