では、時系列で見たときに上昇している項目は何なのでしょうか。「地震に備えて、家具などを固定している」「防災袋や非常食を常備している」が目に見えてアップしています。そして「住まいは安全であることが第一だと思う」が常に6割以上の数字をあげ、ダウン傾向にある16項目中第1位の「住むなら一戸建ての方がよいと思う」に迫る第2位の座をキープしていたのです。
さらに、これまた最新時点のみではありますが、「住まいは地盤の強さや海抜の高さを重視する方だ」も、23.9%と4分の1に迫る数字を獲得しています。東日本大震災や大雨、強風、豪雪など度重なるここ数年の気象状況が、そもそも高かった日本人の住まいに対する安心・安全志向に火をつけることになったと言えるでしょう。
では、引き続き「充実させたい家の設備や機器」について見ていきましょう。ここでもこれまでと同様、安心・安全確保のための設備や機器への賛同が高まっているのでしょうか。
「充実させたい家の設備や機器」の選択肢は全13個で下記の通りです。
(1)ブロードバンド環境(ADSL・光ファイバーなど)
(2)無線LAN(無線でインターネットやメール)ができる通信設備
(3)防犯、防災などのセキュリティ設備
(4)高齢者や障害者に配慮した設備
(5)防音設備など近隣に配慮した設備
(6)ソーラーシステム、深夜電力温水器など省エネルギー設備
(7)ホームコントロールシステム(電話による遠隔操作でお風呂をわかすなど)
(8)空気清浄機など健康に配慮した設備
(9)生ごみを分解処理する機器など環境に配慮した設備
(10)二世帯住宅など、プライバシーに配慮した設備
(11)ガーデニングなど趣味が楽しめる設備
(12)耐震構造など災害に対応した設備
(13)雨水タンクや自家発電機など緊急時に対応した設備(最新調査2012年時点のみ)
さあ、この中で上昇傾向にあるのは何でしょう。ここでも先ほどの結果を受けて、安心・安全を実現する設備や機器への支持の高まりを見ることができます。
「防犯、防災などのセキュリティ設備」「耐震構造など災害に対応した設備」は2つとも急上昇。同じような波形を描くのが「ブロードバンド環境(ADSL・光ファイバーなど)」「無線LAN(無線でインターネットやメール)ができる通信設備」の2つで、これらもいざという時のライフラインとして生活者が捉え始めているのかもしれません。
これまではネット環境を整備することは、より快適な情報生活を送るためのもの、という趣旨が強かったですが、それに加えて、防災的な意味合いも付加されてきたと考えられるでしょう。
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