「2023年」と聞いても、まだまだ時間はたっぷりあると思う人も多いだろう。しかし環境変化のスピードは速い。私たちの親が生きてきた時代とは、きっと違う働き方が求めらているはずだ。10年後の社会はどうなっているのか?――そのヒントを探るために、藤原和博さんに話を聞いた。聞き手はBusiness Media 誠編集部の土肥義則。全3回でお送りする。
藤原さんに話を聞く前に、彼の経歴を簡単に紹介しよう。藤原さんは1978年、大学を卒業後、リクルートに入社。30代前半で営業本部長に就任し、その後は欧州にも駐在した。40歳のときに同社を退社し、会社とパートナー契約を結び「フェロー」(客員社員)に。そして47歳で、東京都では義務教育初の民間校長に就任した。5年後に退任してからは「教育改革」を広めながら、東日本大震災の支援活動なども行っている。
土肥:前編で、藤原さんはこのような話をされました。「今後、サラリーマンの給料は『二極化』する。年収は200万〜400万円、800万円以上の人になるだろう」「年収800万円以上をもらうためには『情報編集力』を身につけなければいけない」と。
日本経済が成長していた時代のサラリーマンは「情報処理力」があれば、メシを食っていくことがでました。でも、今後は違う。正解はひとつではない時代なので、人と人の脳を結びつけることで、自分が考えてこなかった“答え”を導きだせるチカラ――つまり「情報編集力」が必要であるとも話されました。
ではその情報編集力を身につけるには、どうすればいいのでしょうか?
藤原:「レアカード」になれば、いいんですよ。
土肥:レアカード?
藤原:いまの20代の人たち……ひょっとしたら30代前半の人たちもポケモンカードで遊んでいたかもしれません。ポケモンカードで遊んだことのある人だと分かると思うのですが、希少価値の高いレアカードは魅力なわけですよ。つまり、自分自身をレアカードにするという感覚をもてるかどうか。これがものすごく大事になってくるでしょう。
例えば「年収」について語るとき、私は「時給」で語らなければいけないと思っています。マクドナルドでアルバイトとして働くと、時給は800円ほど。夜だったら1000円くらい。コンピュータのプログラムを組める人は時給1000円は超えるし、ゲームのプログラムを組めたら2000円を超える人も多い。
ところで、サラリーマンの時給はいくらくらいか分かりますか?
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