英語の中の「中国語」とどう付き合うか?ビジネス英語の歩き方(2/3 ページ)

» 2013年04月10日 08時00分 公開
[河口鴻三,Business Media 誠]

ビジネス英語における中国の地名、グァンドゥンってどこ?

 魯迅の発音は、今の日本ではそれほどシリアスな問題にはならないかもしれません。しかし、中国の地名ということになるとどうでしょうか。例えば、米国の取引先からこんなメールが届きました。

We plan to open a large branch office in Zhejiang Province in China.

 プロビンス(州)とありますから、どこかの地名だろうとは見当がつきます。しかし、「Zhejiang」は、ちょっと漢字が思い浮かびません。そこでオンラインの辞書や翻訳サイトに張り付けることにします。すると、音は「ジェチアン」という感じで、浙江省のことだと分かります。

 最近の米ビジネスマンは、意外に中国の地名を会話の中で使うのが得意です。「先月はグァンドゥンに出張した」などと米国人が言うと、われわれ日本人はきょとんとせざるを得ません。私たち日本人は、北京とか上海のような大都市は、ある程度原音に近い音で覚えていますが、重慶とか蘇州、安徽省などとなると日本語読みで覚えているからです。

 もともと平安時代以前から、中国人を目の前にして会話を交わすことなどまったく想定せず、文字として漢字を受け入れ、目で読む、つまり黙読するのが普通でしたから、今日のような困難が出てくること自体、想定外でした。だから「グァンドゥン」という地名を会話や中国語のニュースで聞いても、それがどんな漢字なのか思い浮かびません。

 実は「グァンドゥン」は、広東料理で知られる広東のことなんです。分かってみれば、なるほどという感じもありますが。重慶は「チョンチン」、安徽は「アンホイ」といった感じで、声に出して中国語を読むのは、日本人にとって、ある意味では英語よりもはるかに高いハードルになります。

 最近では、ビジネス上で中国の会社名が出てくることも結構あります。例えば、中国を代表するIT企業の1つで、世界的にみても非常に大きく、かつ先端技術でも知られている「華為技術」という会社があります。

 日本人同士では「カイ」と読んでも問題ないかもしれませんが、そこに日本人以外が混じると中国語風に発音しないと通じません。中国音をカナで表記すれば「ファーウェイ」となるようですから、この音で覚えましょう。同社の日本法人も「ファーウェイ・ジャパン」としています。

 中国東方航空は、「ヂォングォドンファンハンコン」という感じで、ちょっと長くなります。こういう場合は、英語にしてChina Eastern Airlineと言ってしまったほうが楽ですね。

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