音楽とコカ・コーラをSNSでシェアしよう――57年分のイヤーボトルに込めた日本コカ・コーラの狙いとは?(2/3 ページ)

» 2013年04月12日 08時00分 公開
[宮田健,Business Media 誠]

コカ・コーラをもっと会話に登場させたい

Coke 小林香予さん(日本コカ・コーラ マーケティング本部 炭酸カテゴリー コカ・コーラグループ シニアマネージャー)

 日本コカ・コーラではライブへの招待やダウンロードコードのプレゼントなど、これまでも音楽をキーとしたキャンペーンをいくつも実施してきたが、今回は多くの新しいことにチャレンジした。

 まず「コカ・コーラが中心にあること」。そのひとつめの挑戦が「ラベル」だ。大きく西暦を描いた57種を用意したが、1つのキャンペーンでこれだけの種類を用意することはない。

 また、ラベルをよく見ると、1950年代から1970年代はレコード、1980年代から1990年代はカセットテープやCDの再生ボタン、2000年代はヘッドフォンがモチーフになっている。こんなところにパッケージを探す楽しみ、手に取る楽しみが隠れているのだ。

 「これまでティーン層を狙ったキャンペーンが多かったのですが、コカ・コーラはもっと幅広い年齢層の人々にも支えられているブランド。当時のコカ・コーラのイメージや記憶からだけではなく、どうしたら今のパッケージを手に取ってもらえるのか。そしてその年代の音楽を楽しんでもらえるのか。そこにこだわっています」(小林さん)

 年代によって音楽の消費のされ方というものは変化してきた。例えば1980年代から1990年代にかけては仲間内での音楽CDの貸し借りがあり、CDラジカセやミニコンポなどで、みんなと一緒に音楽を聴いていた時代だった。1990年代後半にはミリオンセラーが連発。2000年代に入ると徐々に音楽は個人が携帯プレーヤーで聴くものになっていった。こういう音楽へのアプローチの変化を描いたラベルデザインは、そのころの仲間たちと楽しむためのきっかけとなることを目指したものなのだ。

Coke 1990年代は再生ボタン、2000年代はヘッドフォンがモチーフ

 それにイヤーボトルという仕掛けはコレクションの対象になり得る。「例えば、高校時代の3年間や、自分が生まれた年を探したり。あるいは、相手が生まれた年のボトルを探してプレゼントする人もいるかもしれません。音楽とラベル、2つの入り口があるのも、このキャンペーンの面白いところだと思っています」

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