イチロー引退までのカウントダウン臼北信行のスポーツ裏ネタ通信(3/4 ページ)

» 2013年04月18日 08時00分 公開
[臼北信行,Business Media 誠]

トレーニングでは動体視力の低下を止められない

 イチローに近い関係者によれば「彼はボールをバットに当てるために必要な動体視力がここ最近、急激に低下している」。近視については眼鏡やコンタクトレンズ、またはレーシックなどで矯正することが可能だが、動体視力は近視矯正ほど簡単ではないうえ、時間と労力が必要になる。今年で40歳を迎えるイチローも、さすがにこの問題だけは手のつけようがなく頭を抱え込んでいるという。

 イチローはバットの芯でとらえる打撃と、あえてほんの少しだけバットの芯より先でとらえることで打球を詰まらせ野手の間に落とす打撃を使い分けている。これはバットコントロールが優れているのはもちろん、150キロ強の動く速球を正確にとらえるケタ外れの動体視力を備えているからにほかならない。

 「野球選手の多くは35歳を過ぎると、目の老化が顕著になってくる。だからイチローも密かにこうした老化にブレーキをかけるべく、速いボールに振り遅れないでキッチリと対応できるように投手との距離を縮めて打撃練習を行っているのです。

 遠くから近くに来る物を見る『KVA動体視力』を鍛えるためには、ピントを調節する水晶体を支える筋肉のトレーニングが必要不可欠。ただし、これはあくまでも『ブレーキ』をかけるためのトレーニングで、動体視力を『向上』させることはできない。

 今のイチローがバッターボックスでとらえたと思ったはずの打球がファウルになったり、打ち損じたりするケースが多くなっているのは、やはり動体視力の衰えそのものに拍車がかかっていると言わざるを得ない」(メジャー関係者)

 そして「外的な要因」としてささやかれているのが、2012年12月末に現役を引退した松井秀喜氏の存在だ。巨人、ヤンキースの主軸としてエリート街道を歩いてきた同氏も現役最後の昨季は開幕から所属先が決まらなかったばかりか、途中加入のレイズを7月下旬に解雇され、過去の輝かしい経歴とは対照的に寂しいラストシーズンとなった。

 こうした松井氏の姿を見たイチローは今年に入ってから「自分はボロボロになるまでユニホームを着たくない」と複数のヤンキース関係者に漏らしているという。

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