――プロモーション用のパッケージには過激なことが書かれていますよね。「キリンじゃなくちゃつくれないものを、もう一度つくろう」と。
土屋:私は会社の異動もあって、4年半ぶりにキリンビールに戻ってきました。そのとき「会社が自信を失っているのでは」と感じました。ここ数年を振り返ると、「キリンフリー」はそこそこ売れたかもしれませんが、そこそこで終わっている。正直に言えば、これといったヒット商品がありませんでした。会社で働く人たちから自信のなさが感じられたので、このパッケージに書かれている内容は外だけはなく、(会社の)中も意識しています。
今回、社員には手紙を書いてもらっていますが、これはお客さまと“約束”をすることを意味しています。約束をすると、責任が発生します。その責任を背負えるかどうかというのは、自信があるかないか、ということではないでしょうか。中途半端なことをやっても何も変わらないと思ったので、パッケージに過激なことを書きました。ただ会社の中での調整は大変で、プロモーションひとつとっても経営会議に何度もかけて、何度もやめろといった声がありました。こうしたことを繰り返しましたが、最後はなんとか押し切ることができました。
――なぜネットでキャンペーンをしようと思われたのですか?
北島:この商品をどうやって売っていこうかなあと考えたときに、メインターゲットの30代男性のことを想像しました。彼らはずっとテレビを見ているのではなく、ネットも見ている――と推察して、ネット上でキャンペーンをやることにしました。
土屋:あとネットの反応はいいですよね。ハガキの場合、実はお世辞が多い。「キリンさん、大好き!」といった感じで(笑)。ハガキにはいいことばかり書く人が多いのですが、ネットの場合は生の声がどんどん届いてきます。そうした声に触れているだけで、私たちはものすごく勉強になりますね。
もちろんハガキで応援のメッセージをもらうのが嫌だというワケではなく、応援ばかりというのはやはり不自然ですよ(笑)。そういう意味でも、ネットの反応はいいですね。
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