初めて訪れた土地である。そもそも、この方向のバス停でいいのか。反対方向のバス停も確認したい。ところが、たいていは道路の反対側にあるはずの、逆向き方面のバス停が見当たらない。誰かに尋ねようにも、地方の道路は歩いている人が少ない。いよいよ不安になって、貼り紙に書かれた電話番号に問い合わせた。インターネットだけではなく、携帯電話の普及も旅を便利にしてくれる。
中国バスの電話の対応はとても親切だった。やはりこのバス停は間違いだった。では逆方向のバス停はどこかというと、200メートルほど離れた寿司屋の前という。見渡したところ、寿司屋の看板はない。電話を切って、やっと通りかかった自転車の老人に寿司屋の場所を聞き、建物が分かった。そこにバス停があるかと聞いたら、知らないという。バスに乗る必要がないから、バス停も知らないらしい。
寿司屋の前に、確かにバス停はあった。ただし、それは定番の「鉄柱に丸看板」ではなく道路に平行に立てられた板だった。これでは離れたところから見ても分からない。大きな板で紙を貼る場所も多いというのに、路線図はなく、行き先と通過予定時刻だけだった。バスが来たとき、運転手さんに改めて「新山へ行きますか」と確認した。
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なぜ「必要悪」の踏切が存在するのか――ここにも本音と建前がCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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