奨学金利用者の28.8%は延滞――背景にあるのは借りすぎ?(1/2 ページ)

» 2013年05月31日 12時45分 公開
[渡辺紀夫,マネーの達人]
マネーの達人

著者プロフィール:

渡辺紀夫

株式会社 デルフィー 代表取締役

兵庫県西宮市を拠点に活動しています。毎月15世帯ほどのご家族が相談にみえられますが、よく「FPって、もっとハードルが高いと思ってました」と言われます。学校で教わらない住宅ローンや保険など、きっと多くの人が誰かに相談したいはず。FPがもっと身近な存在になることを願いながら、毎日ワクワクしています。

保有資格:CFP、1級FP技能士、住宅ローンアドバイザー、トータル・ライフ・コンサルタントほか。


奨学金を利用する場合には、1回目の貸与時期をチェックしなければいけない(写真はイメージです)

 親が金融機関から教育費を借りる「教育ローン」なるものがありますが、これは返済するのも親となります。一方、奨学金は教育を受ける本人、つまり子どもが借りるものです。学校を卒業すると、子ども(本人)が働いて自分で返さなければいけません。

 その奨学金ですが、「成績がトップクラスでないと借りられない」と思っている人がいらっしゃいます。確かに、入学試験での成績上位者に対して授業料の一部または全額を免除したり、相当額を支給する特待生制度を設けている大学もたくさんあります。これらの奨学金を受けられるなんて、親孝行な子どもですよね。

 利用者が最も多い日本学生支援機構では、学業成績の基準があるものの、基本的に希望者全員が借りることができます(平成24年実績)。

 奨学金を利用することになった場合に注意しなければいけないことは、1回目の貸与時期です。通常は4月または5月に、指定口座へ振り込まれます。ということは、合格直後に納付する入学金や授業料などは、奨学金が間に合わないことになります。奨学金を利用する場合は、学校への納付時期と奨学金の貸与時期がいつかを、しっかりと理解したほうがいいでしょう。

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