「メッツ コーラ男子」と「コカ・コーラ男子」を比較してみた――データから見るペルソナ図鑑消費者理解コトハジメ(1/3 ページ)

» 2013年06月24日 08時00分 公開
[大久保惠司,Business Media 誠]
誠ブログ

 昨年からトクホ(特定保健用食品)のコーラ戦争が勃発しています。昨年の4月にキリンビバレッジが、トクホ史上初のコーラ系飲料「キリン メッツ コーラ」を発売、昨年年間で602万ケースを販売し、大ヒットとなりました。これが引き金となり、同じく昨年の11月にはサントリーが「ペプシスペシャル」を発売。これも同じく2月までに170万ケースを突破するヒットとなっています。

 飲料メーカーのトップブランドである日本コカ・コーラがいつ参戦するのかと、業界の注目を集めているさなか、4月末に「カナダドライ ジンジャーエール FIBER8000」が発売されました。ところがこれ、非トクホ飲料なのにCMなどで「トクホウ」というキャッチフレーズで大々的に発表したところ、まぎらわしいということでひんしゅくを買ったのも記憶に新しいところです。うわさによると、日本コカ・コーラはトクホのコーラは出さないだろうとのこと。その理由は「長年秘密にしているコカ・コーラのレシピを公開しなければならなくなるから」というお話で、妙に納得しました。

 という訳で、今回は「キリン メッツ コーラ」をよく飲んでいる男性(メッツ コーラ男子)と「コカ・コーラ」をよく飲んでいる男性(コカ・コーラ男子)を比較してみることにします。

コーラはやっぱり男性的な飲料だった

 クラウド型消費者分析ツール「ぺるそね※」では、回答者にどの飲料を好んで飲んでいるかを聞いています。炭酸飲料やミネラルウォーター、お茶系飲料、コーヒー飲料に機能性飲料、果汁系飲料など、それぞれのカテゴリーについてデータを収集しています。この中でコーラ系とトクホ飲料系について、男女比率と平均年齢でポジショニングしてみました。

※ぺるそね……約3万人の消費行動データをもとに、ターゲットとなる人々のライフスタイルを読み解けるナレッジベースサービス。データは2012年6月調査のもの(n=3万1444)。

 これを見ると、コーラ系はほとんどが、男性比率が高く平均年齢の低いエリアにポジションされています。唯一、「ダイエットペプシ」だけが女性比率の高いエリアにポジショニングされています。(ダイエットペプシは現在販売終了しています。「ぺるそね」第二期調査時:2012年6月には販売されていました。)

 一方、トクホ系の飲料は「ヘルシア緑茶」「ヘルシアウォーター」は年齢層の高いエリアにポジションされ、「ヘルシア緑茶」はやや男性が多くなっています。「黒ウーロン茶」は平均年齢に近く、やや女性比率が高くなっており「ヘルシアスパークリング」は若く女性比率の高いエリアにポジショニングされています。

 「メッツ コーラ」はこの中でも最も男性比率が高く、最も若いポジションとなっており、比較対象の「コカ・コーラ」はもう少し平均年齢が高くなっています。年齢層の比較を見ると「コカ・コーラ」のほうが50代以上にも飲まれていることから、平均年齢が上がっていることが分かります。

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