「ビッグデータ」――。この言葉を一度は聞いたことがある人も多いだろう。膨大なデータを記録・解析して、ビジネスなどに活用するというものだ。最近では経済誌などでも「ビッグデータ」というキーワードが取り上げられつつあるが、分析できる人材が少ないこともあって、まだ成功事例は少ない。
語れる人が少なく、語れる内容もあまりない。取材する側にとっては手足が出せない状況だったが、ある人からこんな情報をいただいた。「発売初日の数字を見ただけで、その商品がヒットするかどうかが分かるんだって」と。そんなバカな……と思ったが、よく聞いてみると、データを分析して新商品を開発したり、売上増に貢献したりしているそうだ。
その企業名は「ローソン」。同社が扱う「Ponta(ポンタ)カード」のデータを活用して、さまざまな取り組みを行っているそうだ。早速、本社がある大崎(品川区)に足を運び、分析企画部の倉持章部長に話を聞いてきた。
土肥:ローソンが発売した「焼パスタ ラザーニャ ボロネーゼ」が売れているそうですね。発売(10月16日)から19日間で100万食を超えたとか。
倉持:ローソンの歴代パスタの中で、最速の記録なんですよ。100万食達成時点で計算したところ、約2秒に1個の割合で売れました。ところで、なぜこんなに売れたと思いますか?
土肥:えっ? やっぱり味がよかったからではないのでしょうか?
倉持:もちろんその理由も挙げられますが、実はヒットの影に「Pontaカード」があるんですよ。
土肥:Pontaカードって、ローソンで商品を買えばポイントが貯まるものですよね。でも、なぜパスタがヒットした要因に、そのカードがあるのですか?
倉持:Pontaカードを使って、商品を購入されている方は月に約1700万人。その人たちは月平均6回ほど、ご来店していただています。カードを使っていただければ、性別と年齢が分かるんですね。集計の関係上、年代にしていますが、「どういった人たちが商品を購入しているのか」といったことを私たちは検証しています。
またお店の特徴を10パターンに分けています。これは客層によって分けていて、例えば「会社員が多いお店」「大学生が多いお店」といった感じですね。もちろん時間帯によっても、分析することができます。
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