30年以上にわたり生活者を研究し続けてきた「博報堂生活総合研究所(生活総研)」。同研究所の主席研究員である吉川昌孝氏が、生活総研オリジナル調査「生活定点」などのデータを用いて、“時代の今とこれから”を読み解きます。
「生活定点」とは、1992年から20年間にわたって隔年で実施している時系列調査。衣食住から地球環境意識に至るまで、人々のあらゆる生活領域の変化を、約1500の質問から明らかにしています。現在、生活総研ONLINEで20年間のデータを無償公開中。こうした生活者データから得られる“ターゲット攻略のヒント”はもちろん、ビジネスパーソンの日々の仕事に役立つ“データを読み解く技術”などもご紹介していきます。
博報堂生活総合研究所研究員、および動態研究グループ・グループマネージャー。1965年愛知県生まれ。慶應義塾大学商学部卒、同年、博報堂入社。マーケティングプラナーとして得意先企業のマーケティング戦略立案業務を担当。2003年より生活総合研究所客員研究員となり、2004年より生活総合研究所に異動。2008年より未来予測レポート『生活動力』のプロジェクトリーダー。著書に『亞州未来図2010−4つのシナリオ−』(阪急コミュニケーションズ・共著)、『〜あふれる情報からアイデアを生み出す〜「ものさし」のつくり方』(日本実業出版社)などがある。2008年より京都精華大学デザイン学部非常勤講師。
人は案外気分で動くもの。その時の気持ちでモノを買ったり買わなかったりするものです。ということで、私たち博報堂生活総合研究所も、その移り気な生活者の感情に着目して昨年秋より「ときめき度」(※)を測定しています。ちなみに2013年春のときめき度は46.0点。(詳しくはこちら)いつもは数字中心に発表している「ときめき度」ですが、今回は初めてひとりひとりの回答に踏み込んでご紹介します。テーマは、日本人の恋愛エネルギー。では参りましょう。
最近話題の、でも「実際どうなの?」「ほんとにいるの?」と思われがちな肉食系女子ですが、今回その存在をついに確認しました! (少し大袈裟)。調査では、最近の自分のときめきの点数を記入後、その理由も答えてもらっているのですが、以下のその自由回答、ちょっと読んでいただけますか。
「告白された」
「食事に誘われた」
「ナンパされました」
「好きな人に告白された」
「異性からのお誘いが増えた」
これ、男性、女性、どちらの回答と思いますか? 実はこれ全部、男性の回答なのです。(カッコ内は100点満点でのときめき度自己採点。以下同じ)
「告白された」静岡県20歳男性(80点)
「食事に誘われた」静岡県28歳男性(70点)
「ナンパされました」静岡県37歳男性(50点)
「好きな人に告白された」宮城県37歳男性(80点)
「異性からのお誘いが増えた」大阪府43歳男性(80点)
(なぜか静岡が多かったのですが)20代から40代まで、女子から積極的(肉食的)に攻め寄られている男子の姿が、ときめきの中身を聞くことで明らかになりました。次に女性の理由を見てみると……。
「再プロポーズ」神奈川県27歳女性(80点)
「不倫相手と久しぶりにラブホテルに行った」石川県26歳女性(30点)
「元彼と出かけた」広島市30歳女性(80点)
さらに肉食的なコメントですよね。肉食、草食について尋ねたわけではないのに、具体的なエピソードとともに男女それぞれの傾向が浮き彫りになってしまい、私もびっくりしました。ときめきの中身を聞いたからこそ、男子の草食っぷり、女子の肉食っぷりがあらわになったというわけです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング