蒸気機関車はどうやって動くの? 夏休みの自由研究は「鉄道」で杉山淳一の時事日想(5/5 ページ)

» 2013年08月23日 00時00分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]
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鉄道と音楽:鉄道唱歌を作ってみよう

 「汽笛一声新橋を はや我が汽車は離れたり……」で始まる鉄道唱歌。実は東海道本線だけではなく、各地の幹線鉄道版が存在する。そこで、最寄の鉄道路線の鉄道唱歌を作詞してみよう。これは音楽のセンスでもあり、七五調の詩を作る表現を培うかもしれない。歌詞に織り込む内容まで考えれば、地理や歴史の勉強にもなる。

 ちなみに鉄道唱歌が作られたころは、東海道本線の始発駅は新橋駅。だから新橋駅から始まっている。当時の新橋駅は現在の新橋駅ではなく、汐留にあった。現在は高層ビル群の間に旧新橋駅が再現されている。さて、現代版で東海道本線の鉄道唱歌を作るとどうなるだろう。始まりは東京駅。汽笛一声……汽笛でいいのかな。

 「警笛鳴らして東京を 銀色電車は離れたり 国際フォーラム マリオンと、帝国ホテルに見送られ」……だろうか。

「行ってみる」「手を動かす」が大事

 現代はインターネットが普及し、この程度の知識は簡単に手に入る。だからといって「ネットで調べました」では教育にならない。結論を手にするよりも、結論に近づこうとする行動が大切だ。「実際に探してみた」「証拠を見つけた」「作ってみた」という、行動や作業のなかで、真実にたどり着く「喜び」や「達成感」を、ぜひ子どもたちに経験させてあげたい。

 たとえ結論が分かっていたとしても、そこにたどり着く過程で、新たな疑問や答えが見つかるかもしれない。鉄道に興味を持ち、調べていくうちに、鉄道オタクになったっていいじゃないか。そこから政治や経済、環境、デザインなど、新たな興味に発展するかもしれないのだから。子どもたちにとって、鉄道は社会の入り口だ。

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