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» 2013年09月13日 08時05分 公開

ローカル線を救うのは誰か? アニメファンを無視してはいけない杉山淳一の時事日想(4/5 ページ)

[杉山淳一,Business Media 誠]

『ガールズ&パンツァー』の仕掛けに乗った鹿島臨海鉄道

 このリストの中から、鹿島臨海鉄道に聞いてみた。『ガールズ&パンツァー』のラッピングトレインについては、製作委員会参加企業のバンダイビジュアルから協業の申し出があったという。ラッピングトレインについては広告扱いとのことだ。

 鹿島臨海鉄道は茨城県水戸市の水戸駅と鹿島市の鹿島神宮駅を結ぶ53キロメートルの大洗鹿島線と、鹿島臨海工業地帯の貨物線を運行する第3セクターだ。もともと工業地帯のみ運行していたが、国鉄の赤字問題で開業が見送られた大洗鹿島線を引き受けた。プロサッカーチームの鹿島アントラーズの本拠地「鹿島サッカースタジアム駅」を持つ路線としても知られている。

鹿島臨海鉄道の位置。緑のマークが大洗駅(Google Mapsにて作成)

 『ガールズ&パンツァー』は、「武道のひとつとして戦車道が存在する」という設定のもと、大洗女子学園で戦車道に励む女子高生の活躍を描く。兵器とかわいい女の子という意外な組み合わせが話題となり、人気タイトルとなった。沿線の大洗町が舞台で、当初から大洗町などと広範囲なコラボレーションが企画されたようだ。地元の祭に声優が出演するショーが行われたり、陸上自衛隊もイベントに戦車を展示するなどで話題となった。鹿島臨海鉄道だけではなく、茨城交通もラッピングバスを運行している。

 鹿島臨海鉄道は「聖地訪問」効果について乗客増などの数値は把握していないという。しかし、ラッピングトレイン目当ての乗客をよく見かけるほか、アニメとコラボレーションした記念乗車券は増刷分も含めて完売。駅などで販売したアニメ関連のグッズの売り上げも好調とのことだ。大洗町や鹿島臨海鉄道は東日本大震災で被災しており、『ガールズ&パンツァー』の「聖地訪問」による集客はありがたかっただろう。

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