なぜイマドキの20代は「新・ぶら下がり社員 or 新・モーレツ社員」になってしまうのか?サカタカツミ「就活・転職のフシギ発見!」(2/3 ページ)

» 2013年10月21日 09時20分 公開
[サカタカツミ,Business Media 誠]

「仕事と人生」との関係、世代別傾向

 以前、組織の中で働く人たちのモチベーションを整理するというテーマで、簡単な調査をしたときに(人材系のウェブサービスのプロデューサーなので、こういう調査研究もやっています)描いてもらった図の傾向から、次のように世代別に類型化できました。

50歳代以上は「モーレツに働くのが当たり前」

 いまの50歳代より上の世代は、人生という円の中に仕事という円を描くという人が多い印象があります(当然ケースバイケースですが、以前、この類いの調査をしたときには、という前提で、以降書き進めます)。しかも、仕事という円のサイズが人生という円の中でも多くを占める、そんな図を描く人が少なくありません。いわゆる「モーレツに働く」ということが当たり前とされていた人たちの最後の世代だといってもいいかもしれません。

 もちろん、もっと若い世代にも“働くことがすべて”という人たちは存在しますが、かつてほどではないといって差し支えないでしょう。古いタイプのサラリーマンといわれても、仕方ない世代ともいえます。

50歳代 いまの50歳代より上の世代は、人生という円の中に仕事という円を描き、円のサイズが大きいモーレツ社員型が多い

オンとオフを分ける40歳代

 少し下がって40歳代になると、仕事と人生という円を二つに分けて描く人たちが増えてきます。この世代は「オンとオフ」という言葉が流行りだした時期に働きだした人たちです。

 使えないといわれ続けている、俗にいうバブル世代はこの典型です。ですから、仕事だけが人生じゃない、区別を付けてどちらも楽しまなければならない、と考えるようになっています。結果的に仕事の占める割合が多いけれども、それでも「人生=仕事ではない」と自負している世代ともいえるかもしれません。ただ、図を描いてもらうと人生と仕事の円は重なり合っている部分もある、もしくはピッタリと寄り添っているという図を書く人たちが多いのも、この世代の特徴です。

40歳代 仕事(オン)と人生(オフ)は別、と円を分けて描く人が多い40歳代

人生における仕事の位置づけが変わってきている、という話

「人生と仕事の円はまったく別」な30歳代

 30歳代になると、人生と仕事の円が「まったく切り離されて」描かれるケースが増えてきます。むしろ仕事のサイズが小さくなり、人生のサイズが大きくなる。「仕事がすべてではない」という考えの延長線上で、それがさらに進化して「プライベート」という感覚が導入された世代です。オンとオフという、ひとつ前の世代が考えていた分け方よりも、さらにハッキリと区別されます。

 仕事が終われば職場の人との付き合いがなくなったり、プライベートと称する時間に会うのは学生時代の友人だったり、という人たちがこのゾーンになると登場します(余談ですが、それ以前の世代の多くの人は、学生時代の友人とは社会人になると付き合いがなくなり、せいぜい同窓会で顔を合わせるという程度が一般的でした)。仕事と人生との「かかわり」が切れてしまった人たちも増えたのかもしれません。

 当然、この話はあくまでモデル化したものであり、人によって価値観は異なるので一概には言えないのですが、なんとなく「言われてみればそうかもしれない」とピンと来た人も多いかもしれません。50歳代と30歳代では、仕事に対する考え方どころか、人生と仕事の関係性すら、大きく変化しているのですから「普通に考えると、そんなことにはならないだろう」という「そもそも」の基準がずれてきていて、さまざまな場所で食い違いが生じてしまうのは、仕方のないことなのかもしれません。そして、20歳代になると、さらに驚くような関係性が出現し始めるのです。

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