岡田: 既存のメガネチェーン、それも大手といわれるところを中心にサービス提携していますよね※。失礼な言い方かもしれませんが、そういう企業にとってOh My Glassesは若造の始めた、よく分からないITベンチャーと映らなかったのでしょうか?
清川: 国内で4000億円の市場規模があるとはいえ、この数年間で業界全体が大きく収縮しています。そのような状況下で、Oh My Glassesとの連携が新しいビジネスチャンスとしてとらえてもらえたと思っています。新しいチャンスは、EC化かO2O(オンラインからオフラインへの送客)、あるいは海外展開くらいしか残ってません。
都合が良かったことに、メガネ業界は収益をレンズ販売とフレーム販売の2つに分けることができました。検眼やレンズ交換、アフターサービスなどは既存店舗で、フレーム購入はOh My Glassesでとすみ分けられたのです。そもそも度数情報をもっていないお客さんはOh My Glassesでは完結できません。
「どうせ検眼にいくのであれば気に入ったフレームをネット上で購入しておいて、レンズは検眼したお店でいれよう」とお客さんが使い分けられることは、至って普通だと思っています。でも2回目以降は、Oh My Glassesで完結されるかもしれませんし、周辺に店舗がない人や店舗に出向く時間がない人もたくさんいらっしゃいます。
岡田: 清川さんは「メガネ業界に革命を起こしたい」と言っていました。具体的にはどんなインパクトをもたらすつもりですか?
清川: 最終的には「店舗のあり方」をガラッと変えるつもりです。「メガネ業界のあり方」と言ってもいいかもしれません。先ほどから出ている、メガネ販売=店舗で検眼して、フィッティングして……という確固としたイメージを完ぺきに覆したいのです。
かつてネットで買わなかった商材が、どんどんEC化されています。でも、メガネ市場の場合、まだ5%もEC化されていないでしょう。4000億円に対する5%以下と考えるのではなく、まだ3800億円も市場が残されていると考えています。それを取っていくために、これからはネットだけにこだわらず“地上”も絡めて仕掛けていきます。まだ水面下のプロジェクトですから、具体的にどうするとはいえませんが、来年度中には何かが動き出します。ネット発だからできることです。
岡田: それは楽しみですね。プロジェクトが水面に浮上したら教えてください。
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