巷で話題の「二日酔い止めサプリ」が発売2年後にブレイクした理由窪田順生の時事日想(2/4 ページ)

» 2013年11月19日 08時10分 公開
[窪田順生,Business Media 誠]
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SUPALIVの誕生秘話

 誕生のきっかけは、今からおよそ10年前、ドイツのグライフェンクラウ伯爵家という有名なワイナリーで行われた試飲会だ。参加者がワインを味わい、楽しく歓談をしているなかで、主催者であるマテューシュカ氏は1人の日本人女性がワインになかなか口をつけないことに気づく。その理由を尋ねると、彼女はこう答えた。

 「お酒に弱くて、すぐ顔が真っ赤になってしまうんです」

 日本人が欧州人よりも体質的にアルコールが弱いのは知っていたが、まさかそんな悩みで酒を飲まないとは。驚くとともに、マテューシュカ氏の頭にはあるアイディアがひらめく。

 酒の弱い人でもお酒を楽しめるサプリメントがつくれないか――。

 すぐにマテューシュカ氏はアイディアを具現化できそうな友人へ相談をもちかける。それが現在、「TIMA Japan株式会社」の代表を務めている犬房春彦氏だ。当時、近畿大学医学部教授だった犬房氏はアルコールによって免疫細胞の働きが弱まり、がん転移が促進されるとする動物実験の結果を日本癌治療学会で発表するなどしていた。開発にうってつけの人物である。かくして、この犬房氏のもとで幾度もの臨床試験を繰り返し、複数の世界特許を取得して「SUPALIV」は開発された。

 日本で発売されたのは2011年11月。だが、当初は今のように大ヒットというわけではなかった。「お酒を飲んでも美しく! 日本人女性のために」というキャッチコピーを掲げ女性をターゲットにしていたようだが、バカ売れしていたわけでもない。ブレイクをしたのは2013年8月。今年に入って3000個ほどだった出荷数が、ここを境に急増し、今や8万個にも届く勢いだという。

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