土肥: では最後に、福島県での観光客の動きを教えていただけますか?
長谷部: 福島県は、東側に阿武隈高地が南北に連なり、西側に奥羽山脈があって、浜通り、中通り、会津の3つのエリアに分かれています。福島県庁としては、それぞれの地域に観光客を増やすことができないか、という課題を抱えていらっしゃいました。
福島県で最も人気のある観光スポットといえば、NHK大河ドラマ『八重の桜』の舞台にもなった「会津若松」。地理的な特徴もあって、観光客が会津から沿岸部に行くのは難しい。では、人々はどのようなところを移動しているのか。
位置情報を分析したところ、会津若松エリア内では周遊されているんですよね。周遊パターンをみると、「会津若松エリア内」が最も多く、次いで「会津若松と郡山」が多い。残念ながらこの2つのパターン以外、あまり周遊されていないんですよ。
福島県には「白河小峰城」「鶴ヶ城」といった城があるので、県側は城巡りの人を増やしたいようなのですが、まだまだ少ない。ただ周遊パターンとしては期待できるので、今後は力を入れていくのではないでしょうか。
土肥: 沿岸部はいかがでしょうか?
長谷部: 沿岸部をみると、ほとんどの人が「いわき」で宿泊されています。いわきに滞在して、そのまま帰るパターンが多いですね。福島県を訪れる観光客は会津若松が最も多く、いわきが2番目に多い。しかし、いわきを訪れる人は動かない。閉じてしまっているエリアをどうやって開けていくかが、今後の課題になってくるのでしょうね。
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