観光客はどこに行ってるの? 位置情報のデータから分かったこと仕事をしたら“人の移動”が見えてきた(前編)(1/5 ページ)

» 2013年12月11日 08時05分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 「秘宝探偵キャリー」や「プロ野球PRIDE」などスマートフォン向けゲームでヒットを飛ばしているコロプラが、ちょっとユニークな分析をしている。「位置ゲー」と呼ばれる同社のゲームに蓄積される位置情報を統計処理し、“人の動き”をさまざまな角度から解析しているのだ。

 「位置ゲー」というのは、スマートフォンや携帯電話の位置情報を利用したゲーム。例えば、自分が実際に移動した距離に応じてゲームで使えるポイントがもらえ、そのポイントを使ってバーチャルな自分の街をつくることができる。ユーザーが登録した位置情報の累計回数は20億回(2013年11月現在)を超えていて、そのデータを使えば「どこで何人が、何時に位置登録をしたのか。どこから来たのか、どこへ行ったのか、距離はどのくらいなのか」などが分かるという。

 こんな話を聞くと、「なんだか自分のプライベートがバレているようで気持ち悪いなあ」と思う人もいるだろう。「位置情報はユーザーから使用許諾をいただいたモノのみ活用しています。その情報は統計処理がされているので、個人がどう移動したのかは特定できません。そもそも弊社では氏名などの個人情報は取っていません」(同社)とのこと。

 ところで“人の動き”を分析して、どんなことが分かってきたのだろうか。「そんなの当たり前じゃないか」と思い込んでいた常識が、実は違っていた……という事例が出ているのかもしれない。人々の移動をウォッチしてきた、「おでかけ研究所」の主席研究員・長谷部潤さん(株式会社コロプラ 取締役CSO)に話を聞いた。

長谷部潤さん(はせべ・じゅん)

 株式会社コロプラ 取締役CSO (取締役最高戦略責任者/CSO:Chief Strategic Officer)

 1990年に大和証券株式会社入社。その後、大和総研に転籍。証券アナリストへ。2010年7月に株式会社コロプラに転職し、取締役CSOに就任。経営企画部長としてKPI分析、アライアンス、M&A、広告出稿、広報・IR、法務、海外、おでかけ研究所などを管掌。2013年3月からSocial Game Info株式会社代表取締役兼務。


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