“評論家”が増えてきた? コンビニコーヒーができるまで仕事をしたら“金言”を聞くことができた(4)(2/3 ページ)

» 2014年01月15日 00時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

社内で評論家が増えてくる

ローソンのマチカフェを担当している吉澤明男さん

土肥: ローソンで“いれたてコーヒー”を扱う店舗は、急速に増えていますよね。2011年の秋にスタートされて、現在(取材時10月)では5000店を超えている。新事業を始めるにあたって、苦労されたことも多いのではないでしょうか。

吉澤: 新しいことを始める際には「リスクをとるしかない」のですが、それを決める人がなかなか出てこないんですよね。なぜか評論家のような人が増えてくる(苦笑)。「これができない、あれもできない」「こっちではない、あっちもでもない」といったことばかり言って。

 また競合他社と違ったモノをつくる場合、それは常識ではなく、非常識なモノになるんですよ。でも人間というのは非常識なモノが目の前に出てくると、拒絶反応を起こしがちなんですよね。新しい企画を出すと、必ず否定から入る人っていますよね?

土肥: います、います。

吉澤: 競合他社と違ったモノをつくればつくるほど「こんなの売れるわけがない」「できるわけがない」といった声が出てきました。私が「これでいきましょう」と決断しても、それに反対する人が出てくる。

土肥: で、どうされたのですか?

吉澤: いきなり大きなことを始めようとしても、反対勢力に負けてしまう。「ほらみろ、言ったとおりだろう」といった感じで。そうではなくて、まずは1〜2店舗から始めて、そこから実績を積み上げていくことにしました。

 意気込みは大切なのですが、客観的な事実がないと、人はなかなか受けれてくれません。また結果を残した人たちが「楽しんでいる」「喜んでいる」「もうかった」といったことがないと、人はなかなかチャレンジしてくれません。

土肥: チャレンジしてもらうためのモチベーションづくりでしょうか?

吉澤: はい。マチカフェを担当している私が「ほら、こんなに成功しましたよ」と口説きまわっても、説得力はありません。そこで実験店として協力していただいたオーナーさんの声を紹介しました。その結果、「マチカフェを扱う店を増やそう」とか「ウチでもやってみよう」といった人が増えていきました。

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