一方で、社長や役員のブログは、もう少し個性的です。単に個人のライフログ、日記的なブログなら、どんな内容でも良いでしょう。カリスマ性を帯びた経営者なら、独白のようなエントリーでも、コンテンツとしての魅力は十分あると思います。世の中の矛盾や、自分自身とは違う考えを持っている人を批判するのも大いに結構。ただ、人を採るという観点から見ると、失格かもしれません。
ここに挙げた例は、ブログとして間違ったケースというわけではありません。目的が「人を採用するため」の社長ブログ、だとしたら、あまり好ましくない例として挙げているものです。少し考えてみれば分かるはず。キャバクラで飲んでいて、美しい女性をズラリと並べた写真をブログに掲載している経営者の下で「ここで働くぞ!」と思う人は、それほど多くないでしょう。
世の中に対する批判も、それが自社のサービスや製品の話につながっていれば良いのですが、ただ怒っているだけだと「この人の下だと、自分も怒られそうだ」と思われるのがオチ。読書やセミナーなどの受け売りは、SNSなどでシェアされやすいので、ブログにも書きがちですが、その企業で働く人にとってみたら「うーん、微妙」と思うのも無理はありません。
本来、企業の経営層が行う情報発信とは、自社のサービスや製品に対する理解を深め、ファンを作ることが第一なはずです。その延長線上で個人のブランディングが上手く成立し、注目される経営者となる人もいるでしょう。けれども、その言動“だけ”が注目されて「あの人、どんな仕事をしているのかさっぱり分からないね」と言われてしまう経営者……これ以上言わなくても、もう分かりますよね。
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