進むクラウド化、デジタル化―最新会計ソフト活用で業務効率アップ

2014年からは青色申告もクラウドで!? 「マネーフォワード 確定申告」を使ってみた(1/3 ページ)

» 2014年02月06日 15時00分 公開
[宮田健Business Media 誠]

著者紹介:宮田健(みやた・たけし)

元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。アイティメディアのONETOPIでは「ディズニー」や「博物館/美術館」などのキュレーターをこなしつつ、自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め日々試行錯誤中。


 およそ1年前にアイティメディアを離れ、フリーランスライターとして独立した筆者。サラリーマン生活から離れ、個人事業主になったときに心配したのが「会計処理」だ。これまでは確定申告に備えて市販の「青色申告」ソフトを使ってきた。

 だが、2014年の確定申告シーズンに向けてクラウド会計ソフトが次々と登場している。今回は、2014年1月27日にサービスが始まったクラウド会計ソフト「マネーフォワード 確定申告・青色申告」を試し、従来型ソフトと比べて何がいいのか(ありていに書けば「どこがうらやましい」のか)、そして機能に不足はないのかをチェックしてみたいと思う。

うらやましいのは「どこでも記録できること」

 マネーフォワード 確定申告・青色申告は、マネーフォワード社が提供する個人事業主向けのクラウド会計ソフトだ。青色申告を行うための一通りの機能があり、日々の会計に関する登録作業をはじめ、確定申告までの作業をWebブラウザで完結できる。

 マネーフォワード 確定申告・青色申告では、取引月ベースで月間15本までの仕訳を登録できる無料版と、仕訳本数の制限がなく、データのバックアップも多重化して行うプレミアム版(月額800円)を用意している。また、スマホのカメラで撮影したレシートや領収書の内容を手軽に登録ができるアプリ(原稿執筆時点ではiOS版のみだが、Android版も公開予定)もある。

マネーフォワード 確定申告 マネーフォワード 確定申告・青色申告

 PCにインストールするタイプの会計ソフトでできることは、クラウド会計ソフトでもほぼ同じようにできる。むしろ、そうでなければ使い物にならない。

 そこで原稿執筆にあたり、「従来型の会計ソフトを使っている筆者がクラウドサービスに求めるモノ」を考えてみたが、突き詰めるとこの1点に絞られた――「どこでもメモを取るように登録できること」。会計処理とは発生時点での記録が必要なので、例えば何か消耗品を買ったときにすぐに登録できるのは重要なポイントだろう。

 一例を挙げてみる。筆者のメインPCはMacBook Proだ。いわゆる「会計ソフト」のほぼすべてがWindows用で、筆者もそのためだけに仮想マシンとしてWindows環境を用意している。すると、どうなるか。さっとMacBook Proを取り出してスッと仕訳登録……なんてことはまず無理。こうして、登録しなくてはならないレシートがバインダーの中に蓄積されてしまうのである。

 また、ネットに接続せずにインストールしたPCだけで作業が完結できるように設計されたパッケージ型会計ソフトが、将来、スマホと連携する可能性があるかというと、あまり期待できないだろう。

 クラウド会計ソフトのマネーフォワード 確定申告・青色申告は、当然ながらWindowsだろうがMacだろうが、Webブラウザさえあれば使える※。iPadでアクセスしても問題ない(iPhoneからも使えなくはないが、FAQによれば公式には対応していない(原稿執筆時点)ようだ)。

※対応ブラウザはInternet Explorer 9以上/Google Chrome/Firefox/Safari
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