なぜ歯ブラシを買うのに迷うのか? 客の行動を分析して、分かったこと仕事をしたら“客の迷い”が見えてきた(前編)(1/6 ページ)

» 2014年02月12日 06時22分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 とあるコンビニでのこと。デザイン会社で勤める田中健作さん(仮名、30代)は、商品を購入する際、いつも“迷って”いるという「うーん、今日のお昼ご飯どれにしようかな……」。棚に並んでいる唐揚弁当を手にして、「おいしそうだな……。でも最近、肉ばかり食べているから、今日は魚にしよう」。ということで、唐揚弁当を元に戻し、シャケ弁当を手にする。

 弁当だけではなく、飲料でも同じように迷う。「新商品のお茶にしようかな。それともいつものやつにしようかな」といった感じで。そんなこんなで悩んだ挙句、ようやくレジへ。

 田中さんはコンビニに10分ほど滞在したが、店側に残るデータはこれだけ。「30代、男性、シャケ弁当、ペットボトルのお茶を購入」――。彼のように「これにしようか、いやあれにしようか」という“悩みの行動”はこれまでよく分からなかったが、最新機器を使うことでいろいろなことが見えてきたという。

「これにしようかな。いや、あれにしようかな」と“悩む”人は多い(写真はイメージです)

 ん、どういうこと? なんだか気持ち悪いなあ。と思われるかもしれないが、そんなに心配する話ではない。店内に3Dセンサーを設置して、お客が「通過した」「立ち止まった」「商品を手にした」「購入した」といった情報を分析しているだけ。情報は数値化されているので、「“田中さん”がシャケ弁当を購入した」といった感じで、個人が特定されるわけではないのだ。

 お客の行動を分析しているのは、株式会社ミディー。膨大な情報を数値化することで、どんなことが分かってきたのだろうか。「この商品の前では、多くのお客が悩んでいる」といった傾向はあるのだろうか。社長の深谷由紀貞さんに、話を聞いた。

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