元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。アイティメディアのONETOPIでは「ディズニー」や「博物館/美術館」などのキュレーターをこなしつつ、自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め日々試行錯誤中。
個人事業主やフリーランス向けのクラウド会計ソフト「マネーフォワード 確定申告・青色申告」(以下、マネーフォワード 確定申告)をもう少し使い込んでみたい。
前回はPCにインストールして使うパッケージ型にはない、クラウド会計ソフトならではの機能やメリットについて考えてみた(参考記事)。もう少し細かな点での性能向上を期待したいポイントもあったが、フリーランスである筆者が使うには十分な性能を備えていた。
今回は、他社製の会計ソフトからデータを移行したり、カード明細や銀行の明細を取り込むことにチャレンジしよう。
PCにインストールして使うタイプの既存の会計ソフトからのデータ移行(インポート)について。結論から言えば、乗り換え元ソフトにCSV形式でデータを出力する機能が備わっていれば可能だ。ただし、ある程度の会計知識と、データが正しく取り込まれているかどうかをチェックする時間は必要となる。
まず、それまで利用していた会計ソフトの仕訳日記帳からCSV形式でエクスポートを行う。マネーフォワード 確定申告の使い方ガイドによると、「弥生会計」「会計王」「勘定奉行」などからの移行が可能だという。
例えば、弥生会計の場合、メニューの「帳簿・伝票」から「仕訳日記帳」を選択し、ファイルメニューの「エクスポート」でCSVファイルが出力できる。実際に作成されたCSVファイルの内容を見ると、カンマで区切られた仕訳の情報が確認できるだろう。
このCSVファイルをマネーフォワード 確定申告にインポートする。メニューの「入力・仕訳」をクリックすると、ファイルの入出力画面が開く。ここでインポートするファイルを選択し、アップロードする。
アップロードが完了すると、読み込んだCSVファイルにある文字列、金額をマネーフォワード 確定申告のどの項目に割り当てるか確認する画面に移る。メジャーな会計ソフトが出力するCSVであれば、項目はほぼ適切に割り当てられる。
「確認」を押すと、実際の仕訳イメージに近いものが表示される。ここで貸方/借方の勘定科目が「未確定勘定」となっているものがあれば、仕訳メモに元の会計ソフトで設定した補助科目が書き込まれているので、これをヒントにマネーフォワード 確定申告側の勘定科目を決定しよう。未確定勘定のまま取り込んで、あとで仕訳を個別に修正することもできる。
これでインポート作業は完了だ。しかし、上記にあるように未確定勘定をどう処理するか、さらには毎月ごとに残高が一致しているかどうかをチェックする作業が必要になるだろう。
会計の処理は、ソフトがエラーだと警告していないからといって、会計的に正しい処理なのかどうかまでは判断できない。これは税理士、会計士、商工会議所のアドバイザーなどに任せなければならないところだろう。おそらくCSVの移行自体は問題なく終了するだろうが、その後の確認作業に不安を持つ利用者も多いと思う。この点に関してのマネーフォワード 確定申告が用意している「フォロー」については、本稿後段で紹介したい。
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