ちょっと前、振り込み詐欺グループなどに関わる人間に取材したことがある。
彼によれば、今世にあふれかえる振込み詐欺などは、もともと闇金融から派生したものだというのだ。
闇金グループというのは、完全なピラミッド型組織で、下部組織が上層部へ毎月の売り上げを納めなくてはいけない。これは暴力団の下部組織が上部団体へ「上納金」を納めていくシステムとよく似ている。
このような組織のなかで、求められるものは、いかにカネを上へあげていくしかない。これは裏を返せば、カネがないならばコンビニ強盗でも詐欺でも何でもしなくてはいけないということでもある。
つまり、組織内で求められる“売り上げ”をつくるため、さまざまな新規事業へ進出していったというわけだ。そのなかで、もっとも手軽なのが「振り込み詐欺」である。闇金をやる人間たちに必要不可欠なのは「名簿」である。この名簿を使って口八丁手八丁で、カネを引っ張ればいいのだ。
みなさんからすると、詐欺師というのは単に流行の詐欺の手口を模倣(もほう)していると思うかもしれないが、そんなことはない。社会トレンドに巧みに取り入れ、異なる詐欺同士を組み合わせるなどして常に“進化”している。
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