渡辺代表の「8億円借金問題」と、官僚の黄金時代がやって来る日窪田順生の時事日想(1/4 ページ)

» 2014年04月01日 08時00分 公開
[窪田順生,Business Media 誠]

窪田順生氏のプロフィール:

1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、『フライデー』の取材記者として3年間活動。その後、朝日新聞、漫画誌編集長、実話紙編集長などを経て、現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌でルポを発表するかたわらで、報道対策アドバイザーとしても活動している。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『死体の経済学』(小学館101新書)、『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)がある。


 渡辺善美・みんなの党代表が「DHC吉田会長からの8億円借金」問題でボコボコに叩かれている。

 「政治とカネ」の問題が出るたびにやいのやいのと文句を言っていたご意見番が、こっそり選挙資金らしきカネを大企業の会長に無心していた、というなんとも政治家らしい欺瞞(ぎまん)に加え、「3年前から耳が聞こえるようになった」とのたまった現代のベートーベンを彷彿させる「8億で熊手とか買いました」という苦しい言い訳が集中砲火を浴びているのだ(関連記事)

 そんなあまりにできすぎた「ブーメラン」ぶりに、永田町周りではさまざまな陰謀説が持ち上がっている。

 仲違いをした江田憲司さん(当時、みんなの党幹事長、現在は結いの党代表)が刺したとか、さもありなんな噂話が囁(ささや)かれるなかで興味深いのは「霞ヶ関官僚黒幕説」だ。

 アベノミクスのバラまきで息を吹きかえした官僚が、この勢いに水を差しそうな、渡辺代表を葬り去ろうと、財務省の外局である国税あたりが吉田会長の「弱み」をつついて「取引」をもちかけたというのだ。

 いかにも政治記者が好きそうなアングルだが、「日本をダメにしている官僚機構を改革するため」に8億円貸し付けたなんてのたまう吉田会長が、そんな簡単に官僚にコントロールされるとは思えない。

 事実、DHCのWebサイトには、採用情報という場にもかかわらず、吉田会長の痛烈な官僚批判が掲載されている。

東大出の官僚が、何か経験した事のない新しい事態に直面すると、うろうろおろおろと狼狽して、頓珍漢な結論を出してしまうのは、まさに彼らが判断力や独創性を養う体験を若い時にしていないということから来ています。知恵がないなあということになります。(DHCの公式Webサイト「採用情報」より

DHC吉田会長からの「8億円借金問題」によって、渡辺代表の今後はどうなるのか
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