渡辺代表の「8億円借金問題」と、官僚の黄金時代がやって来る日窪田順生の時事日想(2/4 ページ)

» 2014年04月01日 08時00分 公開
[窪田順生,Business Media 誠]

「頓珍漢」のオンパレード

 DHCの採用情報に記された文面からは、「改革」なんて生ぬるい言葉では済まされないような「憎しみ」が伝わってこないか。

 だが、吉田会長の気持ちも分からんでもない。実際に彼と向き合っている東大出の官僚が出す結論は、「頓珍漢」のオンパレードだからだ。

 例えば、サプリメントの規制緩和なんか分かりやすい。安倍政権の規制改革会議で、市場が成長しているサプリメントの「表示」をもうちょっとユルくしようとなった。といっても、「がんが治る」とか怪しいセールストークを認めるわけではなく、これまで国の審査をとおった「トクホ」(特定保健用食品)にしか、含有成分の機能性表示を許さなかったものを認めましょうというだけの話なのでトントン拍子で進んでいった。

 それがどういうわけか、いつの間にやら厚労省が規制緩和の基準はトクホにしようとか言い出し、彼らの天下り先である公益財団法人日本健康・栄養食品協会も、「第三者認証制度」を入れるべきだとか騒ぎ始めた。要するに、政治家が規制緩和しようと言い出したのを官僚が握りつぶし、“第二トクホ”をつくりましょうという方向にねじ曲げているのだ。

 こういう頓珍漢な結論になる原因を、吉田会長は東大出の官僚の知恵がないからだと分析しているが、実は違う。

 規制を緩めて民間の自主性に任せると、官僚の仕事が減る。仕事が減ると居場所がなくなる。だから彼らは、わざと頓珍漢な結論を出して、自分たちの仕事をつくりあげるのだ。

 その典型が「消費税増税転嫁Gメン」である。

サプリメントの規制緩和をめぐっての議論が、いつの間にか頓珍漢な話になってしまった(写真はイメージです)

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