日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。
本連載では、私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」をひも解いていきたい。
ちょっと前、「廃墟モール」が全国で増えているというニュースが注目を集めた。
そこで取り上げられていたのは、JR小山駅前にある高層モール「ロブレ(ROBLE)」。栃木県内で人口第2位の都市・小山市の中心部にあり、本数は多くないものの東北新幹線も停車するターミナル駅に直結している。こうした立地を生かし、テナントにはドン・キホーテやTSUTAYA、ダイソー、アニメイトなどが入っている。しかし、これらがないフロアはかなり閑散として、空き店舗も目立つことから「廃墟モール」という不名誉な称号を受けている。
2029年を目安に閉鎖されるわけだが、ロブレ側も何もしてこなかったわけではない。施設の約5割は小山市が所有し、運営は第三セクターが担っている。これまで商業コンサルティング会社などと連携しながら、「再生」に向けた取り組みを続けてきた。
ただ、令和になってからテナント誘致もかなり厳しかったようで、3年前に雑貨販売店が入居したのを最後に「小山商工会議所パソコン教室」「就労継続支援B型事業所」という市との関係が深い施設の入居にとどまっている。
背景には、ロブレがオープンした3年後に同一商圏内にできたジャスコ(現・イオンモール小山)や、2007年に誕生した商業施設「おやまゆうえんハーヴェストウォーク」の存在が大きいとの指摘が多い。つまり、「車社会に対応している巨大モール」にごっそりと客を奪われてしまったというのだ。
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