「廃墟モール」はなぜ生まれたのか もう一度“にぎわい”を生み出す方法スピン経済の歩き方(2/7 ページ)

» 2026年01月07日 07時45分 公開
[窪田順生ITmedia]

小さな商業施設の「厳しい現実」

 このような「廃墟モールの窮状」を見ていてつくづく感じるのは、かつて日本全国で進められた「商業施設で街ににぎわいを呼ぶ」という地域振興策がいよいよ通用しなくなってきたことだ。

 車社会がどうこう以前に、商業施設というものは小さいプレーヤーが巨大なプレーヤーに食われて集約していく「厳しい現実」がある。

おやまゆうえんハーヴェストウォーク(出典:公式Webサイト)

 魚屋や肉屋が並ぶ昔ながらの駅前商店街は、駅ビルや総合スーパーが増えるとシャッター通りになっていく。歴史ある個人経営スーパーも、ライフやオーケーが出店すると客を奪われる。老舗百貨店もイオンモールができると廃業に追い込まれる。「商業施設頼みの町おこし」というのは、近隣エリアに競合が現れた時点で崩れ去ってしまうほど、はかないものなのだ。

 もちろん、ビジネスはそういう競争があって健全なワケだが、日本の場合はある要因によって、その弱肉強食ぶりが際立ってきている。そう、人口減少と少子化だ。

 ご存じのように、これから日本は2040年まで「年間100万人」ペースで人口が減っていく。宮城県の仙台市に住んでいる人々が毎年消えていくようなことをイメージしていただければ分かりやすい。

 「日本人ファースト」と喉をからしたところで、この状況は何も変わらない。人口減少のペースは大都市圏より地方のほうが速く進行するので、駅ビルだろうが、駐車場1000台完備のイオンモールだろうが、客は大きく減っていく。全国区のテナントや安さを武器に商圏内の客を囲い込まなければ「死」あるのみなので、「にぎわい創出」なんて悠長なことは言っていられない。

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