ハンバーガーの「肉を減らす」――、これは一見ネガティブな変更にも思える。
モスバーガーを展開するモスフードサービスは、人気商品の「アボカドバーガー」で、あえてこの選択をした。しかもその結果、販売食数と売り上げはいずれも伸びているという。なぜ、同社はボリュームを抑える判断をしたのか。
12月はファストフードに限らず、消費が大きく動く月だ。この傾向に合わせて、同社では例年、年末年始に「1年間頑張った自分へのご褒美」となる商品を販売してきた。今シーズンも2025年11月12日〜2026年1月下旬にかけて、「『モスの匠味』黒毛和牛のダブルチーズバーガー」(890円)と「アボカドバーガー」(590円)を期間限定で販売している。
「アボカドバーガー」は、2024年に続いての登場となるが、前回と比較してパティに使う肉の量を4割減らした。
同商品は女性からの人気が圧倒的に高く、今シーズンも購入者の約7割が女性だという。
「しかし、前回販売した際、『ボリューミーで食べにくい』『口を開けて頬張るのが難しい』という女性からの声がありました」
こう話すのは、モスバーガー マーケティング部長の目黒広朗氏。女性たちの“かぶりつきたい”ニーズに応えるべく、パティのサイズを見直し。商品発表会でも「『ボリュームがありすぎる』という声に合わせて変更を加えた」旨を公表した。
また、肉の量を減らしたことに伴い、「アボカドバーガー」の価格は790円から590円へと下がっている。単価の引き下げは当然、売り上げにも影響する。
「もちろん単価を下げることは勇気が要ります。しかし、今回は価格ありきで考えず、お客さまに喜んでもらえる商品へと改良した結果、価格も下がったという形になります」と目黒氏。
「顧客の声を聞き、より満足する商品に」という意識を開発メンバーが共有していたため、大きな議論は起こらなかったと話す。
「アボカドバーガー」の販売食数は、11月末時点で前年比180%となり、単価を75%に下げたにもかかわらず、売上高は前年比135%に伸びている。顧客のニーズを捉えた商品が、支持を集める結果となった。
「アボカドバーガー」が価格を下げた一方で、「『モスの匠味』黒毛和牛のダブルチーズバーガー」は890円と、ハンバーガーの中では高価格帯に設定。高級感のある紙製の箱に入れて提供し“ご褒美”感を堪能できるようにした。
「黒毛和牛のダブルチーズバーガー」は男性の購入者が多く、「肉をガッツリ食べたい」というニーズに応えられている実感があるといい、SNSでは写真付きで感想を投稿している購入者も多い。
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