このように、揺るがないロングセラー商品があって、その上で新しいフレーバー商品を販売することで商売は成り立っているのだ。新フレーバーが好調な売れ行きで、企業が「次も新しい味で」「その次も新しい味で」といった姿勢だと、しっぺ返しを食らう場合がある。例えば、サントリーは2007年に「ペプシアイスキューカンバー」というキュウリ風味に仕上げたコーラ飲料を販売し、それが大ヒット(関連記事)。その後、サントリーは夏前になると、面白ペプシを販売することに。ところが、面白ペプシの売り上げが苦戦するようになると、定番ペプシも棚から見かけなくなったのだ。
現在、多くのコンビニでは「ペプシスペシャル」という特保商品と「ペプシ NEX ZERO」の2種類が販売されているだけ。以前は、コカ・コーラのライバルとして横に並んでいたのに……残念でならない。
ロングセラー商品は、お客さんを飽きさせない工夫として、バラエティーに飛んだフレーバーを展開している。しかし、フレーバーをたくさんそろえればよいというワケではない。見た目が斬新、食べたことがない食感――そんな商品を出すことで、同時に定番を再認識してもらう。また、長く買ってもらうために、見た目には分からない小さな工夫を積み重ねることで、ロングセラー商品の寿命はさらに伸びていくのだろう。
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