「コンビニバイト募集 初心者歓迎」この言葉の裏にある“怖い事実”ご一緒に“おでん”いかがですか(4/5 ページ)

» 2014年07月17日 08時00分 公開
[川乃もりや,Business Media 誠]

無垢なバイトに“不都合な情報”

接客レベルが高いアルバイトにはそれなりの給与を支払わなければいけない、と思うが……(写真はイメージです)

 「初心者歓迎」――。この言葉の裏には、もう1つの意味が込められている。

 コンビニオーナーにとって、経験者を雇うのはあまり気が進まない。経験者を雇うとトレーニング期間が短く済むので、即戦力になる。しかし、無垢なバイトに“不都合な情報”を与えることがあるのだ。

 経験者はよくこんなことを言う。「前で働いていた○○店は、もっと楽だった」と。「コンビニの仕事はかなりキツい」ことは、多くの人が知っているかもしれないが、人は経験から学ぶことが多い。例えば、新人が「ここのバイトは忙しいなあ。でも、仕事というのはどこも同じようなもの」と思っているところに、経験者から「この店は、厳しいよ」といったことを聞くと、新人が辞めていく。コンビニのアルバイトは「1年未満」に辞めることが多いのだが、その理由として「学年が変わるから」「学校を卒業するから」を挙げる人が多い。しかし、実態は「いろいろなことを知ったから」辞めていくケースが後を絶たないのだ。

 「初心者歓迎」――。勘の鋭い読者なら、もうお分かりだろう。この言葉の裏には「経験者は歓迎しない」という意味が含まれているのだ。

 また、この「初心者歓迎」という雇用体系には、大きな問題がある。今、さかんに叫ばれている「人材の使い捨て」そのものだからだ。

 コンビニで何年も働いているのに、時給がほとんど変わらない……という人は多い。時給だけがすべてとは言わないが、筆者は、あらゆる面で“格差”が必要だと思っている。「接客」というのは、誰にでもできることではない。というより、ある一定のレベルを越えるのが難しいのだ。そうした高いレベルの仕事ができる人に、何らかのフィードバックを考えていかなければいけない。

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