コンビニ本部で社員をして10年余り、いわゆるスーパーバイザーなるものを経験し、何を思ったか、独立オーナーに転身した。齢40にして、自分の仕事についての足跡を残したくなり、仕事の合間に誠ブログ「とあるコンビニオーナーの経営談議」を始める。
旅行とお酒が大好きだが、コンビニ経営をしていると、なかなか旅行に行く時間がとれない。その一方で、アルコールの量は増えるばかり。
多くの人が一度は利用したことがある「コンビニ」。決して大きなスペースではないが、そこで何が起きているのだろうか。陳列台にはたくさんの商品が並んでいるが、何が売れているのか、またなぜ売れているのか。コンビニの現在と過去を紐解きながら、ちょっとした“謎”に迫っていく。
筆者は大手コンビニの本部社員として活躍し、現在では店舗を構えるオーナー。コンビニの表と裏を見てきた者だけにしか書けないコラムはいかがですか?
コンビニで働く人は、ほとんどがアルバイトだ。彼らに支払われる時給は、地域差はあれど、低い金額しか提示されない。
なぜ、アルバイトの時給は低いのか。その理由の1つは、コンビニは物販業からスタートしたからだ。お客さんがレジまで商品を持って来て、それを精算する。作業内容としては「モノを並べて売る」という単純作業なので低賃金……だと考えている。
しかし、現在のコンビニは単なる物販店舗ではなく、「サービス業」と認識している人も多いだろう。これは、コンビニだけに限ったことではない。エンドユーザーに関わるほとんどの職業がサービス業に変化してきたと感じている。
コンビニのバイト経験者ならご存じのはず。コンビニの仕事は大変なのだ。掃除、商品補充、接客――これらを同時に行い、カウンターサービスの数々を覚え提供しなければいけない。大変な仕事にもかかわらず、彼らはある程度のレベルを保って働いている。なぜそんなことができるのかというと、「彼らのモチベーションが高いから」と言う人もいる。
しかし、筆者は「違う」と思っている。もちろん、アルバイトの中にはモチベーションの高い人もいるが、正確には、コンビニ側のある仕掛けによって、アルバイトには“エセモチベーション”が与えられているのだ。
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