コンビニコーヒーの味に違いはあるの? 科学的に分析した仕事をしたら“味”を分析できるようになった(1/6 ページ)

» 2014年06月04日 07時30分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 大手広告代理店で勤める大谷信也さん(仮名)は、1日に最低でも3杯のコーヒーを飲むという。朝、出社前にファストフードに立ち寄り、あっさりした味のコーヒーを楽しむ。昼、食事を済ませたあとに、同僚と一緒にカフェチェーンに。そこでは苦味が強いコーヒーを注文する。夕方、気分転換に会社の近くにあるコンビニに行って、苦味がやや強いコーヒーを購入する――。

 大谷さんのように、コーヒーは日常生活に欠かせないモノになっている、という人も多いのではないだろうか。“ビジネスパーソンのお供”とも言えるコーヒーだが、その昔、飲用シーンは限られていた。外で飲もうとしても、自販機で甘い缶コーヒーを購入するか、喫茶店で楽しむしかなかった。しかし、今は違う。街中にはカフェチェーンやファストフードがあふれているし、コンビニでも淹れたてのコーヒーを気軽に飲むことができるようになった。

 1日に3〜4杯、いや多い日には5〜6杯飲むという人もいるだろうが、そのコーヒーがどんな“味”をしているのかご存じだろうか。ん? どういうこと? と思われるかもしれないが、どんな食べ物・飲み物でも5つの基本味(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味)として数値化できる機械があるのだ。

 味の見える化に成功したのは「味覚センサー」。慶應義塾大学とAISSY株式会社が共同開発したセンサーで、私たちの舌に代わって、さまざまな味を分析することができるのだ。

 今回の取材では、スターバックス(種類:ケニア)、ドトール、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルド、ミスタードーナツ――この6つのコーヒーを分析してもらった。いずれも手軽に飲むことができるコーヒーだが、味にどのような違いがあるのだろうか。AISSYの鈴木隆一社長に話をうかがった。聞き手は、Business Media 誠編集部の土肥義則。

味覚センサーでコーヒーの味を分析中。さて、結果は?

鈴木隆一さんのプロフィール:

 AISSY株式会社代表取締役社長、慶應義塾大学共同研究員(兼務)。慶應義塾大学理工学部卒業、同大大学院理工学研究科修士課程修了。大学在学中よりシステム開発の受託などを行いながらSFC研究所研究員も兼務。大学院修了後、慶応義塾大学から出資を得てAISSY株式会社を設立。味覚や食べ合わせの研究を行い、メディアにも多数出演。通称「味博士」。

 最新著書として、『日本人の味覚は世界一』(廣済堂新書)、他にも『味博士のぜったい太らない食べ方』(日本文芸社)『「味覚力」を鍛えれば病気にならない』(講談社)がある。


       1|2|3|4|5|6 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.