コラム
» 2014年08月14日 08時00分 公開

INSIGHT NOW!:新宿伊勢丹の業績がアップした“本当”の理由 (2/3)

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利用者が5割増えた「新宿三丁目駅」

 新宿伊勢丹が直結している新宿三丁目駅の1日の平均乗降客数は、東京メトロによると7万9000人(2013年4月〜12月)で、前年同期比で約5割(!)増えたという。新宿三丁目駅で乗り換える人、途中下車する人が一気に増えたわけだ。その人たちはどこから流れてきたのか。

 それは渋谷である。同じ時期、JR渋谷駅の乗降客数は激減した。41万2009人から37万8539人へと約8%も減った。19年連続で日本で3位だったのに、2013年度は一気に5位に転落したのである。最近、伊勢丹の新規のカード会員を分析すると、目黒区や品川区、大田区などの住民が目立つという。

 つまり、従来は渋谷の東急や西武、丸井といった百貨店に勤務後に寄っていた東急東横線沿線在住のOLなどが、渋谷の代わりに新宿三丁目駅で乗り換え、そのついでに伊勢丹に寄るようになったのだろう。そして昼間は、東急沿線のマダムたちが渋谷で降りずに、一気に新宿三丁目まで直通で出かけ、お友達とお茶するようになったということだ。

 実際、私の知人も数人、「以前は渋谷乗り換えだったけど、今は新宿三丁目乗り換えで通勤している」と言っている。直通運転化により、これほど人の流れが大きく変わった例は珍しいかもしれない。

photo 2013年3月、東急東横線と東京メトロ副都心線が相互直通運転を開始したことで乗客の流れが大きく変わった

 渋谷が嫌われ、新宿三丁目に人が流れた理由はシンプルだ。ずばり、渋谷駅が不便になったからである。私も東急東横線沿線の住民だが、渋谷駅で半蔵門線に乗り換えようとすると、以前より距離的には近いはずなのに通路が狭くなったため、かえって時間を食うようになった。

 ましてや、地上の離れた位置にあるJRや銀座線もしくは京王井の頭線に乗り換えようとすると、地下5階から分かりにくい通路を延々と移動することになり、うんざりしてしまう。JR渋谷駅の乗降客数が激減したのは実感としてうなずける。

 では、こうした状況を東急電鉄では予想したのだろうか? ましてや一部の噂にあるように「ライバルであるJRの売り上げを減らすために意図して行った改悪だ」との意見は的を得ているのだろうか?

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