クリエイティブディレクター。就活や転職関連のサービスをプロデュースしたり、このような連載をしていたりする関係で、そちら方面のプロフェッショナルと思われがちだが、実は事業そのものやサービス、マーケティング、コミュニケーションの仕組みなどを開発するのが本来の仕事。
直近でプロデュースしたサイトは「CodeIQ」や「MakersHub」。著書に『こんなことは誰でも知っている! 会社のオキテ』、『就職のオキテ』。この連載についても、個人的に書いているブログでサブノート的なエントリーを書く予定。Twitterアカウントは@KatsumiSakata。
前回のコラムは珍しく(?)私の周囲でもたくさん読まれたようで、記事への反応がダイレクトに伝わってきました。経営者、もしくはそれに準ずる人たちから寄せられたコメントの多くは、対象としていた読者の皆さんにとっては、当然、とても厳しいものでした。
「しがみついてもらったら、会社としては困るばかり」
「使えないと分かった時点で、自ら退場してもらうのが理想」
「仕事ができない人の面倒を見るなど、ホント、勘弁してほしい」
えーっと、その人たちを採用して、今まで仕事をしてもらっていて、育てていたのは、経営者である皆さまなのですが……とは思うものの、このくらいにしておきましょう。とにかく「旧システム」とレッテルを貼られてしまった皆さんは、その会社での居場所をあっという間に無くしかねない状態。危機はもう迫っています。先週のコラムで私は、
組織によってはしがみつくことさえ許さない、というところも少なくありません。現状維持が許される時間が少ないとなったら、次の打ち手を用意する必要があります。それが『タイムマシン・キャリア』です。
と書きました。今日は、しがみつけないあなたのための、新しいキャリアプランの話を少しだけ。
「タイムマシン経営」という言葉を耳にしたことがある人は多いでしょう。解釈の仕方によって、意味するところは異なりますが、かいつまんで言うと『他所で流行っているビジネスを、まだ流行っていない場所に持ち込んで商売をする』という感じでしょうか。米国でプチブレイクしたサービスが日本でもひっそりとオープン、しかも、米国の事業者が日本に展開したわけではなく、別の事業者がフォーマットだけ持ち込んで、というケースは、日常見かける風景です。
これは、時間差を利用し「まだノウハウ(やシステム)がないところに、ノウハウを持ち込み、成功させる」という方法ですが、実は、キャリアプランにも応用ができるのです。ここまででピンと来た人も少なくないでしょう。
ベンチャーから少しサイズアップしてきた組織だと、その組織サイズにふさわしい人材が必要になってきます。企業の成長を人間のそれに例えれば分かると思うのですが、子供から大人になる時に、必要なノウハウが増えてくるのと同じことです。企業も大人になるためには、そのノウハウを持っている、つまりは経験をしている人たちが必要になってくる、というシンプルな話です。
「会社が大きくなってきたから、そろそろ総務部を作ろう」と検討している会社は、やはり総務経験者、それも役職についた人材を欲しがります。企業の成長の時間差を利用すれば、まだまだあなたが『必要とされる人材』である可能性は高い。しかし、当然のことながら、別の問題が出てきます。そう、もうお気づきですね?
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