「切り捨てられるような人材を、他の企業が求めるのか?」
もちろん、企業側の立場になって書くと「そんな人は不要。成長著しい企業では、使えない人材ほどお荷物になる。間違いなく採用しない」となるでしょう。しかし、今回のこのコラムは、捨てられそうになっている人のサヴァイブ術を伝授する内容。大丈夫です、探せば居場所は見つかります。
まず、企業の規模が変われば、求められる能力も変わってきます。大きくなりすぎた組織では発揮できなかった力が、別の「これから成長する組織」ではジャストフィットする、というケースは少なくない。「仕事をするのが嫌いで、働きたくない態度が前面に出ているために組織から捨てられる」という人は別として、たまたま現状のシステムからバージョンアップした際にこぼれてしまう、という旧システムな人なら、まだまだ救う神はいるのです。
企業の成長における時間差を利用したタイムマシン・キャリアもあれば、ビジネスの中心地から地方へと、場所による時間差を利用したタイムマシン・キャリアも十分に考えられます。地方で成長をしている企業の多くは、慢性的な人材不足です。必要な人を確保できないから、成長が止まってしまっているというケースも多い。
ただ、こういうニーズはなかなか見つけにくいのが正直なところ。企業も上手に情報発信できていませんし、個人サイドもそれをキャッチアップするのが難しい。そこには、割と当たり前な理由が存在します。
タイムマシン・キャリアの難しいところは、いまの自分の待遇や社会的地位などが『下がってしまう可能性』があること。いまの組織にしがみつくことすらできないのだから、あなたの価値はその程度だということでしょうと、冷たく言い放つのは簡単なのですが、言われた本人は、なかなか納得できません。
成長途中の会社が、もしくは、地方で頑張っている企業が、人が欲しいと叫んでも、なかなか見つけてもらえないのは、納得できないプライドが邪魔をしている、という側面もあるのです。
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