元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。
先月、ある手紙がわが家に届きました。それは自宅で使っているADSL回線が、1年後にサービス提供を終了するというお知らせでした。「そろそろ光回線でも」と思っていたところでした。
移行についての資料を見てびっくりしました。何とADSLからの移行先として、「WiMAX 2+」が指定されていたのです。WiMAX 2+は下り最大110Mbps(システム上の最大速度)で、ADSLと比べても十分速いとはいえ、いってみれば「モバイルルーター」です。
今回のサービス終了は、「ADSLの利用者が減り続けていることからの事業縮小」というインターネットサービスプロバイダー側の事情によるものです。光回線にすると利用料が高くなるので推奨しにくいのでしょう。確かにWiMAX 2+は月額利用料も安価です。
WiMAXは2009年に日本でサービスが開始され、安価にブロードバンドを利用できる手段として有望視されていました。筆者もサービス開始当初に数カ月利用したことがありますが、当時はまだ提供エリアが狭く、屋内に入ると通信できないことが多かったので、結局すぐにやめてしまいました。今ではかなりエリアも広くなったため自宅の回線もワイヤレスにするというのはアリかもしれません。
そこで、まずは実際に自宅でWiMAXが使えるのかどうか、UQ WiMAXが提供している「Try WiMAX」というサービスを利用し、どのくらいの速度で使えるのかを確認してみました。すると……、ADSLでは10〜13Mbps出ていたところがWiMAX 2+では3〜8Mbpsと若干不安定なことが分かりました。
「あ、これは使えないな」と思い、すぐにルーターを返却したのですが、よくよく考えると3Mbps以上のデータをやり取りするような使い方をしていないのではないかとも思います。
今ではスマホもあるわけですし、日中はそれで事足ります。自宅で高速回線が必要なのは、例えば大画面でYouTubeを見たり、PCのソフトウェアアップデートをしたりといった場面。それも3Mbpsあれば十分じゃないかと思えます。
むしろ必要なのは、スピードよりも「データ通信量制限がない」こと。スマホはほとんどのプランで、月に「7Gまで」といったデータ通信量制限がついています。これは、自宅のブロードバンド回線ではあまり気にしなかったものですね(PC通信時代では接続時間という制限がありましたが……)。
自宅以外でのネット接続が当たり前となった今、スピードよりも通信料のほうがポイントかもしれません。その視点では、WiMAXの通信量無制限というのはアリかも(WiMAX 2+についてはスマホと同じく7Gバイトの制限があるのですが、特定の条件で無制限となるキャンペーンを行っているようです)。
まだ結論を出していないのですが、月額利用料が5000円程度、さらには決して安くない工事費がかかり、工事立ち会いをしなければならないけれど速い光回線を契約するべきか、それともそれなりのスピードながらすぐに手軽に使えるWiMAX 2+回線を契約すべきか、とても悩ましいです。
今回の突然のADSLサービス終了のお知らせは、スマートフォン時代では自宅回線とのつきあい方も変わるということを再認識させてくれたものでした。
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