なかなか手ごわいケータイプラン「解約」の話半径300メートルのIT

» 2014年09月08日 13時00分 公開
[宮田健,Business Media 誠]

著者紹介:宮田健(みやた・たけし)

元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。


 先日、筆者が所有する携帯電話の契約を見直し、サブとして使っていたNTTドコモのデータ通信回線のプランを変更しました。調べれば調べるほど、携帯電話のプランには、魑魅魍魎(ちみもうりょう)が渦巻いていて大混乱です。

 まもなく新しいiPhoneやAndroid端末が登場し、MNPを検討している人も多いかもしれません。契約時にはあまり気にしない「解約」のことも、消費者である私たちは知っておくべきでしょう。

割引は常に割り引かれるわけではない

 ご存じのように、NTTドコモをはじめ大手キャリアは通話定額プランを前面に打ち出しています。NTTドコモでは、2014年9月1日からほとんどの「旧プラン」が契約できなくなりました。

 筆者のサブ回線は、「Xiデータプラン ライト にねん」にキャンペーンの「Xiデータプラン ライト割」を適用し、月額4700円のところ3791円となっていました。これを最安で維持できる2段階制のパケットプラン「Xiデータプラン2 にねん」(2381円〜)へ変更します。

 ところがここで、ドコモショップスタッフから衝撃的なひと言が。

「Xiデータプラン ライト割は、解約する月には適用されませんので、8月は3791円ではなく、4700円請求されますがよろしいでしょうか?」

 ここにワナがあります。実は、携帯キャリアが実施する「割引」の多くは、特定の条件下では適用されないようになっています。例えば、「月月割」「毎月割」という割引プランがありますが、このほとんどは「解約する前月で終了」という条件が付いており、解約する月は割引なしの全額が請求されます。

au auの場合、変更申し込みの前月利用分をもって終了
SoftBank ソフトバンクモバイルの場合、解約申し込み月の前月をもって終了
docomo NTTドコモの場合は若干異なり、「廃止予約」「変更予約」時点で割引が終了する

 もう1つ問題があります。実はショップスタッフも契約条件の細かい部分まで知らないことが多く、よく間違うのです。

 先に依頼した「Xiデータプラン ライト割」の廃止ですが、約款をよく読むとこの割引は「割引プランを解約しても最後の月の割引は消えない」が正しいのです。よく似た内容の「プラスXi割」という割引だと最後の月は満額請求されるので、おそらくこれと間違えたのでしょう。

 ショップスタッフから中央センターに確認してもらい、正しい手続きでプランを変更できました。この件に関してはショップスタッフを責める気にはなれません。それほどまでに携帯電話の契約は分かりにくいのです。

その「安い」、本当は高くないですか?

 今回痛感したのは、いくつもの割引を重ねて安くなっている携帯電話料金がどこかのタイミングで満額請求されてもおかしくないということ。

 みなさんもう一度、ご自身の携帯電話やプロバイダなどの請求書を見てください。いろいろなサービスがさまざまなキャンペーンで“無料”になっていると思います。「実質〜円」は、解約時に牙をむく可能性があるのです。

 分かりにくいと問題視されている携帯電話料金プランですが、とはいえ携帯電話がライフラインの1つになった今、「持たない」という選択肢はなかなか選べないのも確か。大手でも格安SIMでもかまわないので、「誰にでも理解できる本当にシンプルなプラン」を用意する会社が出てきてもいいのになあと思います。

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