元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。アイティメディアのONETOPIでは「ディズニー」や「博物館/美術館」などのキュレーターをこなしつつ、自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め日々試行錯誤中。
携帯電話の通話料金が安くなりつつあります。その先駆けとなったのが「IP電話」です。簡単に説明すると、音声をデータ化してインターネットでやりとりするもので、携帯電話の通話料よりもかなり安いこと、050から始まる番号をもう1つ持てることが特徴です。
最近では、大きなシェアを持つLINEが格安で通話できる「LINE電話」を提供したり、NTTドコモが通話定額のプラン「カケホーダイ」をスタートしようとしたりと、以前ほどIP電話サービスは話題にならなくなりました。でも筆者は海外旅行のときに、このサービスをフル活用しています。
2年ほど前、筆者が当時住んでいたマンションは住民が持ち回りで役員を務めていました。すると、交代予定の住民から「次期役員をやりたくないのですが……」という電話がかかってきました。規約で拒否権がないことを伝えても、なかなか折れてくれません。結果、20分もの長電話に。
困ったことに、その電話は米国旅行中にかかってきました。国際ローミングサービスを使うと、ほとんどの場合、着信側にも「着信料」が発生します。その月の電話代の請求額は……。
フリーランスになってから、海外を旅行するたびにこのことを思い出します。仕事の電話がかかってくることは拒否できません。海外から留守番電話サービスの伝言を聞くには一苦労します。できるだけ通話料/着信料をおさえる方法がないかと考えた結果、IP電話サービスが便利だと気が付きました。
まずIP電話サービスを契約し、050から始まる番号を手に入れます。次に出国前に「かかってきた電話をすべて転送」する設定にしておきます。こうしておくと、呼び出し音が鳴る前にIP電話に転送されるので、通話料金は国内分だけで済みます。
海外滞在中は、かかってきた電話にそのまま出てもいいのですが、筆者はすべてを留守番電話で受け取っています。そして、そのメッセージは「メール」で取り寄せています。時間のあるときに現地の無料Wi-Fiサービスなどからネットに接続し、メッセージが吹きこまれた音声ファイルを確認し、メールで返信すれば、どうしても折り返しの電話が必要なもの以外は“無料”になります。
前回、「携帯電話の契約に悩んでいる」という話(参考記事)を書きましたが、上記の方法は通話定額プランが普及したときにも応用できると考えています。
通話用のフィーチャーフォン(従来型携帯電話)と、格安SIMを入れたデータ通信のスマホの2台体制にして、通話はすべてスマホのIP電話アプリに転送します。こうしておけば、通話用のフィーチャーフォンは電源を切ってカバンにしまっておいても問題ありません。通話したいときだけ電源を入れればいいので、バッテリー残量もあまり気にせずに運用できそうな気がします。
こういう運用を考えているときが一番楽しいですね。問題は、自分の携帯電話に電話をかけてくるのが、本連載編集担当のオカダ氏くらいしかいないことでしょうか。
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