発がんリスクが指摘されるアクリルアミドだが、どうしたら摂取を減らすことができるのか。
EFSAは、揚げ物をするときは温度と時間を守って揚げすぎない▽パンをトーストするときには焦がさず軽いきつね色に▽フライドポテトやコロッケなどのジャガイモ料理は褐色でなく黄金色に――などの低減策を提案している。
国内の食品メーカーもすでに対策に乗り出しており、食品メーカーのカルビー(東京都千代田区)は平成14年以降、ポテトチップスについて、フライする時間を短くする▽フライする温度を低くする▽フライ直後に風をあて冷却する−などアクリルアミドの低減措置を取っている。
食品のリスクコミュニケーションに詳しいリテラジャパンの西沢真理子代表は「アクリルアミドは多くの食品に含まれ、特定の食品を避けたとしても摂取をゼロにすることは困難。がんから健康を守るためには、揚げ物や脂肪食ばかり食べず、バランスの良い食生活を心掛けることも大事」と話している。
食安委がアクリルアミドについて指摘した「遺伝毒性」とは、遺伝物質(DNAや染色体)に対して毒性があるという意味で、「遺伝毒性発がん物質」は、DNAに傷をつけて突然変異を誘発し、これが蓄積すると染色体異常を引き起こしてがんになる可能性のある物質を指す。「遺伝」という言葉は「子孫に受け継がれる」という意味だが、この場合は、食べた人の遺伝物質に影響するという意味で、次世代に遺伝する可能性は極めて低い。
アクリルアミドについては、動物実験で発がん性が確認されているが、人で発がん性があるかどうかはまだ十分な証拠が得られていない。
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