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» 2014年10月31日 12時30分 公開

「下克上寸前」まで上り詰めた、阪神・和田監督に潜むチカラ臼北信行のスポーツ裏ネタ通信(2/3 ページ)

[臼北信行,Business Media 誠]

阪神監督の重圧

猛虎復活』(宝島社)

 「和田という男は、ある意味でたいしたものですよ。彼は、とにかくタイガース愛がハンパじゃない。『このチームを強く成長させるのは自分しかいない』という使命感を持っている。監督業もやりたくて、やりたくて仕方がないんだ。うがった見方をすればやや自意識過剰で今で言う『KY』的なところもあるが、タイガースの監督なんていう激務はそれぐらいの図太い神経がないと、とてもじゃないが務まらない。

 よく考えてみてほしい。あの星野(仙一元監督)だって結果(就任2年目の2002年にリーグ優勝)を出したけど、その後は試合中にベンチ裏で嘔吐するほど体調不良に追い込まれ、たった2年で阪神の監督から退いた。タイガースの指揮官を務めるということは、それぐらいの重圧とも戦わなければならないんだ。そういう厳しい重責を担おうとする人物が今はほとんどいないだけに、和田のように強い使命感を持つ監督は今のタイガースにとって貴重な存在と言える」

 確かに阪神監督の重圧はすさまじい。お膝元の関西メディアは勝てばお祭り騒ぎで持ち上げるが、逆に負けが続けば一転して猛バッシングを開始する。前出の人物を含めた有力OBたちの“口撃”も舌鋒の鋭さは他球団と比較にならないほどだ。

 それだけではない。球団の親会社・阪急阪神ホールディングスの株主総会では、出席者の株主からチームの調子が悪ければ指揮官への批判や解任要求が飛び出すこともしばしば。そういう環境下で和田監督は就任3シーズンの間で何度も批判の矢面に立たされ、今年もレギュラーシーズン終盤で首位争いから脱落したことで各方面から「クビにすべきだ」などと散々叩かれた。

 それでも和田監督は耐え忍んだ。続投条件とされていた今季リーグ2位の座を何とか死守し、坂井信也オーナーから「来季もやってもらう」とゴーサインが出されると満面の笑みを浮かべながら報道陣に「CSで巨人に必ずリベンジします」とも言い切った。

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