カビが発生する前にクラウドで予測してお知らせ――東京エレクトロン

» 2014年11月06日 16時11分 公開
[Business Media 誠]
MFS画面イメージ

 東京エレクトロンデバイスは11月5日、屋内の環境データをインターネット経由で収集し、カビの発生環境を分析、管理、予報して通知する「カビ発生予報クラウドシステム Mold Forecast System」(以下、MFS)を発表した。11月10日から、MFSの実証実験を行う。

 MFSは、屋内の数カ所に設置した屋内環境センターからデータを収集し、ネットワークを通じてクラウド上にデータを蓄積。蓄積したデータをもとに、環境生物学研究所が考案した数式アルゴリズムを使って予測し、使用者へカビ発生予報を通知することで、カビ発生前の換気をうながし、屋内環境の改善を図るというシステム。

 天井や壁などにカビができた場合、目に見える状態になってから防カビ剤などを塗布してカビの防止・設備の保護をはかるが、MFSによって事前にカビ発生を検知できれば、防カビに必要な修繕費用を最小限に抑え、企業が建物を維持する費用も減らす事ができる、としている。

 カビの種類は現在8万種類以上あり、アレルギー性鼻炎や気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎、じんましんなどの原因となることが知られている。カビが育つために必要な温度・湿度・酸素・栄養分といった適当な環境が室内で保たれているとカビが生えるが、人が気付くのはカビが目に見える状態になってから。カビが生え、目に見える状態になる前に、カビの増殖を抑える環境設定を行うことができれば、カビを原因とするアレルギーの人体への影響を最小限にとどめることができる。

 MFSは実証実験を行ったあと、食品工場、公共施設、病院、住宅、マンション、店舗などをターゲットに2015年1月頃からアプリケーションとサービスを提供予定。今後60億円のサービス販売を予定している。

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