それでも鳥谷が海を渡ろうとするのは、メジャーリーグでのプレーを自分の持つ「地味力」の集大成としたいからだ。彼は親しい関係者に最近、次のように本音を漏らしている。
「もし人から『ヒマワリか月見草か』と聞かれれば、自分は迷わずに『月見草』と答えます。そういう男にはやっぱり『挑戦』と『苦労』がふさわしい。メジャーリーグという未知の世界であがいて、そして這(は)い上がって……。トップクラスになれなくてもいいからせめて月見草のように、ひっそりとでいいから輝いてみたいですね」
かつて「オレは月夜に仰いで咲く月見草」という名言を口にしたのは、あの野村克也氏。鳥谷もまた自らを「月見草」と評し、地味な存在であることを自覚しながらもメジャーリーグの夢舞台でダークホースの位置から光り輝くことを目指そうとしている。応援したくなるのは、きっと私だけではないはずだ。
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