「心の病」に悩んでいる人――「増加」は減って、「横ばい」が増えている

» 2014年11月14日 14時53分 公開
[Business Media 誠]

 直近3年間を振り返って、「心の病」に悩んでいる従業員は増えていますか、減っていますか? 上場企業の担当者に聞いたところ、昨年以上に「横ばい」と答えた企業が増え、その割合は58.0%と半数を超えていることが、日本生産性本部の調査で分かった。

 一方、「増えている」は29.2%と3割を割り込んでおり、「心の病」の増加傾向に歯止めがかかってきているようだ。「増加傾向に歯止めがかかったからといって『心の病』に悩んでいる人が減ったわけではない。減少傾向にまで至っているのは9.2%と、まだまだの状況。これからの課題は増加傾向をさらに減らし、横ばいを減少させることである」(日本生産性本部)

心の病の増減傾向(出典:日本生産性本部)

 どんな人が「心の病」を患っているかを聞いたところ、2010年までは30代が突出して多く、次いで40代、10〜20代、50代と続いていた。しかし、2012年の調査からは変わり、40代と30代が多く、10〜20代、50代と続いている。今回の調査では、30代(38.8%)と40代(32.4%)が多かったものの、10〜20代(18.4%)でも2割弱おり、平準化してきているのかもしれない。

会社の組織状態と「心の病」の増減傾向

 会社の組織状態と「心の病」の増減傾向にどのような関係があるのだろうか。従業員が孤立しがちな組織は「心の病」に悩んでいる人が増えていていることが明らかに。一方、組織内の垣根を越えたコミュニケーションに対して肯定的な会社は「心の病」が減少していることが分かった。

組織風土と心の病の増減傾向(出典:日本生産性本部)

 上場企業250社が回答。調査期間は6月から8月にかけて。

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