誰が“トク”をしたのか? 鳥谷と中島が日本でプレーすることの怪赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)

» 2015年01月15日 08時00分 公開
[臼北信行,Business Media 誠]
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最高額の成功報酬が舞い込んできた

 そして奇妙なことに、ボラス氏が顧客に持つ中島と鳥谷の去就にはいずれも阪神がからんでいた点は見逃せない。

 鳥谷のメジャー挑戦表明を受けて今オフの阪神は正遊撃手の穴埋め補強として中島獲りに心血を注いで獲得が有力視されながらも、どういうわけか土壇場で大きく上回る提示額を用意したオリックスに引っくり返された。仮に阪神が中島獲得に成功していれば、鳥谷に高額な残留オファーを用意する必要もなくなっていたはずで、ボラス氏の“旨み”は低まっていたであろう。

 結論として1つ言えるのは、中島が阪神を蹴って最も条件の高いオリックスを選び、鳥谷も高額な年俸が保証される古巣残留を決断したことで、同氏には両者から最高額の成功報酬が舞い込んできたということだ。

 「ボラス氏は交渉球団である相手から高額な条件を引き出し、サインに至らせたのだから代理人としては最高の仕事を今回もこなしたと言える。しかしメジャーリーグでプレーすることを最も望んでいた鳥谷と中島が心の底から満足できる結果にならなかったのも、また事実だ」と代理人事情に精通するメジャー関係者は話した。

 「敏腕」と「剛腕」は紙一重――。ボラス氏によって鳥谷と中島は身を持って教え込まれたかもしれない。いずれにしても人もうらやむような破格の条件を手にしたのだから両選手はプロとして気持ちを切り替え、ファンの熱い期待にこたえるべくメジャーからも注目されるような大暴れを見せてほしいところだ。

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