グルメサイト第3世代「Retty」――ポイントは実名投稿とスマホ重視ぐるなび、食べログの“次”のサービス(4/5 ページ)

» 2015年04月02日 08時00分 公開
[吉岡綾乃ITmedia]

ビジネスマンの「会食」情報ニーズに応えたい

――武田さんは、会食……いわゆる「接待」に使えるお店選びは、ビジネスパーソンにとって強いニーズがあるはず、というのが持論ですよね。

武田: はい。会食ニーズは、Rettyでも強化していきたいところなんです。困ってる人、いっぱいいますよね。会社で大事なお客さんと一緒に食事をすることになったけど、どこのお店にすればいいのか……って、店探しで半日つぶしちゃうような人も少なくないですよ。結局、社内で詳しい人やグルメな知り合いに聞いてなんとかする。そういう時に、Rettyを使ってほしいなと思っています。

――武田さん自身も、実際に会食に使うお店選びで困っていたのですか?

武田: はい。前の会社にいたとき、そういうお店を探すときは、自分で(グルメサイトなどで)情報を探すよりも人に聞いていました。目的が決まっているときは、詳しい人に聞いた方が確実なんです。これをネットでできないだろうか、もっと多くの人が同じことを簡単にできるようになるサービスを作れないか? と考えていました。

――武田さんご自身も、会食に使うお店を聞かれることがありませんか。どんなところを気をつけてお店を選んでいます?

武田: まず、相手がどういう人か、ですよね。年齢とか、普段どんなお店に行っている人なのか、そういうのを考えた上で「ここなら喜んでもらえそう」というところをチョイスします。あとは、相手があえて行かなそうなところや、最近できたばかりのお店を、サプライズ的に選ぶことも。

――ああ……そうやって選んでもらったら、すごくうれしいですよね、相手の方も。会食のお店選びのときに考慮する、もっと細かい条件ってありますか?

武田: 夜の場合は「個室がある」「おいしい」「一人7000〜8000円くらい」という感じでしょうか。ランチだと、まず予約ができること、あとは相手に合わせて提案します。予算は1000〜2000円くらいですね。あまり高すぎても……と思っています。

周囲のお店を食べ尽くすと、会社が引っ越す

――それだけユーザー数が急増したRettyですが……私自身が使っていて感じるのは「お店を探す」という目的に対して、非常に導線がシンプルなことなんです。最低限の操作でお店を探せる。ちょこちょこアップデートもかかってますが、そのたびに使いやすくなっていっていますよね。開発してる人自身が、ちゃんとサービスを使っていて、自分も使いやすいように改善してるんだろうなあということなんです。

武田: そう言ってもらえるとうれしいです。自分達自身が(提供する)サービスのヘビーユーザーであることが大事だと思っているので、自分でも常に新しいおいしいお店の情報を探していますし、店を探すときにはRettyを使います。Rettyの社員とインターンは全員、(お店情報を)登録して使っていますね。

――そうなんですか! Rettyの社員さんの名刺を見ると、みんな「○○担当」って得意なジャンルが書いてあるのが面白いですよね。「うどん担当」とか「ラーメン担当」とか。武田さんは焼肉が担当だそうで……。あと、会社の引っ越しを頻繁にするのにも理由があるんですよね。

武田: サービスを開始して3年で5回引っ越しをしています。赤坂→新宿→六本木→築地と来て、今日来ていただいてる今のオフィスは、恵比寿と広尾の中間くらいのところです。オフィスの周りのお店を食べ尽くすと引っ越します。だいたい半年に1回のペースですね。

恵比寿と広尾の間くらいにあったRettyのオフィス。2015年4月1日から、高輪オフィスへ移転した

――食べ尽くす……(笑)。

武田: 自分たちがサービスを使って、お店を探して食べないといけませんから。オフィスには自転車を置いて、どこでも(食べに)行けるようにしています。

――なるほど。会社のほうでも、社員やインターンの人たちに「Rettyのヘビーユーザーとして食べ歩く」ことを求めているんですね。

武田: はい。社員全員、「好きなお店に月2回まで経費で行っていい」というルールにしています。自分の分だけですけどね。領収書を切ってくれば調査費として経費にします、ということをしています。

社員にも食べ歩きを推奨。少し遠い店でも食べに行かれるように、オフィスには自転車が置かれている

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