インタビュー
» 2015年04月09日 08時25分 公開

アイドル市場の規模は863億円:参加アイドル300人以上! アイドルアプリ「CHEERZ」のビジネスモデルとは? (2/4)

[山崎潤一郎,ITmedia]

ファンは、平均で1年間に9万4738円をアイドルに使っている

 矢野総合研究所の『「オタク」市場に関する調査結果 2014』(参照リンク)によると、アイドル市場におけるファン1人あたりの年間平均消費金額は9万4738円。オタク市場の中では最も高く「アイドル市場においてはこうした一人あたりの消費金額の高さも市場拡大に貢献しているものと推察する」と分析している。

 そんなアイドル市場において空白地帯だったのが、スマホアプリのジャンルだ。個別のアイドル系ゲームやプロモーション目的のアプリは存在したが、アイドルという存在を束ねてビジネスとして回す、プラットフォーム的なものはなかった。

 そこに登場したのが、DeNAが2013年12月にリリースした「Showroom」というアプリだ(参考記事)。「インターネット上でアイドル・タレントと一緒に遊べる生放送の仮想ライブ空間」というキャッチコピーからも分かるように、アイドル版のニコ生といったサービスである。次に登場したのが、サイバーエージェントのグループ会社が開始した「755」というトークアプリ(参考記事)。アイドルを中心に「芸能人・有名人の返信率92%以上」とうたった派手なテレビCMで話題をさらった。サイバーエージェントの藤田晋社長、堀江貴文氏、AKBグループの総合プロデューサー秋元康氏がタッグを組んでおり、2014年12月に始まったばかりだが広く認知されダウンロード数も伸びており、アイドルプラットフォームとしてはすでに大きな勢力といえる。

それぞれの特徴を備えているアイドルアプリ。755という名称は、堀江氏が長野刑務所に収監されていた際の囚人番号に由来

Twitterへのアップロードは資産を無駄に垂れ流しているに等しい

 この2強に続けとばかりに、昨年末にサービスを開始したのがCHEERZだ。運営元であるフォッグ株式会社CEOの関根佑介氏は「単なるアプリではなく、プラットフォームを作りたかった」と明かす。ただし、最初からアイドルビジネスを狙っていたわけではない。課題を抱えかつ、これから成長する市場でプラットフォームになり得るビジネス探すと探すとアイドルに行き着いたそうだ。最初に「プラットフォーム作り」ありきでの起業というわけだ。

フォッグ株式会社代表取締役/CEOの関根佑介氏。Lyrica、CocoPPa、Discodeer、iamなどのヒットアプリおよびプラットフォームを手がけてきた敏腕プロデューサー

 では、アイドル業界はどのような「課題」を抱えているのか。たとえば「撮影会でアイドルとチェキに収まるだけで3000〜5000円を課金しているのに驚いた。その一方で、アイドルたちはTwitterやInstagramに自分撮り写真をアップロードしている。これは資産を無駄に垂れ流しているに等しい。アイドルの自分撮り写真をもっと有効に活用する仕組みを作るべきと思い立った」(関根CEO)そうだ。

 Twitterなどの一般的なソーシャルメディアと比較して、CHEERZはこの「課題を解決」しているのだろうか。「一般的なSNSは、写真を投稿してもフォロワー、つまり現行のファンにしか届かない。ファンの枠を広げる難しさがある」が、CHEERZであれば「数万人のアイドルファン、アイドルオタクが集っているので、自分のファン以外の人の目に止まる」(関根CEO)点が有利なのだ。つまり、アイドル側からすると、ファンの獲得において、投稿の効果を高めることができる、というわけだ。

 ただ、ここで1つの疑問が首をもたげる。アイドルが好きな人は、「○○が好き」と特定のアイドルを“推す”のであって、それ以外のアイドルが現れるアプリに興味があるものだろうか。いくら300人のアイドルが集まっていても、そこに推しの子がいなければ、ファンにとっては、意味のないアプリではないのか。

 この疑問に対し関根CEOは、「複数のアイドルを掛け持ちで応援するファンがいる」と教えてくれた。アイドルという存在に対し常日頃からアンテナを張り感度を高め、好みの子を見つけるとライブや握手会に出かけて応援する。そのようなアイドルファンがいるというのだ。CHEERZは、そのようなファンの「応援」パワーを集めるプラットフォームになろうというもくろみなのだ。

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