巨人が新外国人選手をなにがなんでも“更生”させたい理由赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)

» 2015年05月12日 08時00分 公開
[臼北信行ITmedia]

ダン・ミセリ投手の存在

 その背景には今からちょうど10年前の2005年シーズン、巨人に在籍して「球団史上最悪のダメ助っ人」と悪評の高かったダン・ミセリ投手(現引退)の存在がある。ここ最近は複数の巨人の関係者も「フランシスコをミセリのようにしてはいけない」と、それこそ祈るような思いでささやき合っているのが現状。

 ちなみに当時のミセリは「メジャー12年間で9球団を渡り歩き、1998年にはサンディエゴ・パドレスで先発ローテーションの一角を務めてチームのワールドシリーズ進出にも貢献」などといった米国での華麗な経歴が買われ、2004年のシーズン終了後に巨人と契約。しかしながらふたを開けて見ると獲得に携わった巨人の編成担当者が「別人が来日したのかと思った」と思わず目を白黒させたほどに散々の投球内容ばかりが続き、チームの守護神起用を考案した当時の指揮官・堀内恒夫監督も青ざめさせた。

 2005年4月1日の広島戦でミセリは1点リードの9回からストッパーとしてマウンドに立ったが、アッと言う間に逆転されて3失点。敗戦投手になったものの試合後は不敵な笑みを浮かべながら「これも野球。投げて打たれたと言うことだ」とまったく反省の色を見せず、開き直りの発言に終始して周囲を呆れさせた。その後も“投げては打たれる”というサンドバック状態の背信投球が続き、横浜スタジアムでベイスターズ打線にメッタ打ちを食らった際には「こんなリトルリーグみたいな狭い球場でやっていれば誰でも打たれる。バカバカしい」と信じられないような言葉を並べ、G党のみならず日本中の野球ファンから怒りを買った。

 この当時、実は筆者もミセリの囲み取材の場にすべて居合わせたが、通訳の担当者が毎回のように怒りに打ち震えながら「この発言は記事にしなくていいと思います」と口にしていたことを今でも克明に記憶している。

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